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今後の日中関係の行方を決める日本のなすべき選択とは=小林正弘

中国網日本語版  |  2026-03-10

今後の日中関係の行方を決める日本のなすべき選択とは=小林正弘。

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発信時間:2026-03-10 09:26:34 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=小林正弘

清華大学法学博士 Genuineways IP Inc.パートナー

中国の王毅中共中央政治局委員(外交部部長)は8日、北京で全国人民代表大会(全人代)に合わせ記者会見に応じた。台湾有事は集団的自衛権行使のための「存立危機事態になり得る」とした2025年11月の高市早苗首相の国会答弁(以下、「高市首相答弁」という)によって、日中関係が困難に直面し、各方面に影響が出る中、王毅氏は日中関係についての期待を聞かれ「今後の行方は、日本の選択にかかっている」と回答した。

高市首相は「対話の扉はオープン」としているが、高市首相答弁は、1972年の日中国交正常化を実現した「日中共同声明」の基礎を大きく揺るがすものであることを忘れてはならない。1972年の「日中共同声明」において、日本国政府は「中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認し、中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」と表明した。

ポツダム宣言第8項はカイロ宣言の遵守を規定し、そのカイロ宣言では日本が戦後、中国から盗取した領土である台湾等を中国に返還しなければならないことが明記されており、ポツダム宣言を受諾した日本は、台湾等が中国に返還されることを受け入れ、その立場を堅持するという意味である。

日中共同声明の文言策定にあたり、当初日本政府側は後段前半部分(「理解、尊重」)のみを提示したが、中国側がその内容では不十分であると拒否し、日本側が後半部分(「ポツダム宣言8条堅持」)を提示した経緯がある。この内容に関して、当時の大平外務大臣は国交正常化後の衆議院予算委員会において政府の統一見解として「中華人民共和国と台湾との対立の問題は、基本的には中国の国内問題である」と回答している。

新中国成立に至る歴史的背景から国益の「核心中の核心」と位置づける台湾問題に、高市首相が自ら踏み込んだために日中関係の悪化を招き、両国の国民に無視できない実害が生じている。このような経緯を踏まえると高市首相は「対話の扉はオープンである」と表明するだけでなく、中国側の根本的な疑念を取り除き、両国の信頼関係の回復に努力することが極めて重要である。それが中国側の対話の扉を開くカギとなるだろう。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年3月10日

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