経済協力開発機構(OECD)の統計によると、2025年下半期(7-12月)のイタリアの輸出額はドル建てで3760億ドルに達し、日本の3700億ドルを上回った。イタリアが半世紀ぶりに半年間の輸出額で日本を上回ったこの事態は、両国の産業構造の差を浮き彫りにしている。「環球時報」のインタビューに応じた専門家は、日伊の輸出ランキングの逆転は、国際的な貿易・経済の不確実性が高まる背景下で、産業構造が均衡を保ち、イノベーションを重視する国の方が、輸出体系に強靭さとリスク対応能力が備わることの現れと指摘した。
「環球時報」の取材に応じた北京語言大学国別・地域研究院の董一凡副研究員は、「この逆転現象の根本的な原因は、両国の産業構造と輸出製品の明らかな差異にある」と指摘する。同氏は「地政学的衝突に米国の関税政策が重なり、原材料や中間財の輸入に依存する日本製品のコストが上昇し、国際競争力が低下した」と説明。さらに「日本の伝統的なハイテク製品は、他国の産業構造高度化や技術進歩による代替の影響を受け、市場シェアを一部失っている」と付け加えた。
日本メディアも、日本の輸出は長年にわたり自動車、半導体関連製品、産業機械が中心であったと指摘。これらの製品は技術的に高度だが、工業品や中間財が多く、価格競争が激しく、貿易政策の変化の影響を受けやすい特性がある。日本の輸出額の17%を占める自動車産業の不振が貿易実績を直接的に押し下げた。米政府の関税引き上げの影響で、日本の自動車業界は最も早く衝撃を受け、輸出量と輸出額が減少する苦境に陥った。経済産業省のデータによると、2025年5月の対米自動車輸出量は前年同月比3.9%減少し、輸出額は同24.7%の大幅減となった。自動車産業の縮小が直接的に日本の輸出成長の停滞を招いた。
董氏は、イタリアの輸出構成は日本より多様と指摘。精密機械に加え、医薬品、贅沢品、食品、家具、衣料品などの輸出が好調で、激動する国際経済環境において従来の輸出品への影響が効果的に相殺された。
特に、贅沢品はイタリアの輸出の重要な強みとされている。グッチやプラダなどのブランドに代表される高級消費財は高いブランド価値を持ち、消費者は価格変動に敏感ではなく、関税が上がっても需要が代替されにくい特性がある。そのため、世界的な貿易摩擦が激化する環境下でも、この種の製品は比較的安定したパフォーマンスを示している。
イタリアの産業構造のもう一つの特徴は、多くの中小企業が産業クラスター・ネットワークを形成している点だ。皮革、靴、宝飾品、眼鏡などの分野では、特定の地域に企業が集中し、専門的分業を通じて完全なサプライチェーンを構築している。OECDの分析によれば、このような産地型産業集積構造により、イタリア企業は高品質を維持しつつ生産の柔軟性を実現できている。
董氏はさらに、EU市場がイタリアに輸出の大きな場を提供し、輸出安定の基盤となっていると指摘した。また、イタリアは中国との間で比較的安定した経済関係を維持しており、イタリアの農産品や高級品は中国市場でより広く支持を得ている。イタリアは多様な国際市場の開拓に積極的で、輸出品目が豊富なだけでなく、輸出先の分布も非常に広い。これはイタリアの輸出拡大の原動力の一つだ。
董氏は、イタリアの輸出が日本を上回ったことは偶然ではなく、現在の不確実性に満ちた世界経済環境において、その産業構造がより高い耐性を持っているためだと結論付けた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年3月6日
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