(八)民生の保障と改善を重点とする社会建設を推し進める。民生は政府活動の要であり、常に心に留め、しっかりと担わなければならない。現在の国内外の厳しく複雑な情勢の下では、民生の保障と改善により優先的に取り組み、やるべきこと・できることをしっかりと全力でやり、基本的民生の最低ラインを断固として守る必要がある。
就業・起業を大いに促進する。雇用政策を充実させ、職業訓練にさらに力を入れ、フレキシブル就業、新たな就業形態への支援を強化する。今年の大学新卒者は795万人の過去最高を更新する見込みであり、就業促進計画、起業誘導計画、末端成長計画などを確実に実施し、さまざまな方途での就業・起業を促進する必要がある。除隊・退役軍人の再配置にしっかりと取り組む。就業支援をいっそう強化し、都市部の就業困難者、障害者の就業をサポートし、「ゼロ就業世帯」において最低一人の安定就業を確保する。われわれは就業という民生の本をしっかりとつかみ、人々が労働の中で富を築き、奮闘の中で人生の価値を実現できるようにしなければならない。
公平で良質な教育を提供する。義務教育段階の児童・生徒を対象とした「二つの免除と一つの補助(教科書代と雑費を免除し、貧困世帯出身の寄宿生に生活費補助金を提供する) 」政策を都市・農村を問わず統一的に実施し、都市部の義務教育公共サービスの常住人口フルカバーの実現を急ぎ、基盤が手薄な学校の運営条件を持続的に改善し、良質な教育資源をより広く行き渡らせ、都市農村間・地域間・学校間の教育運営格差を不断に縮小する。貧困地区の農村生徒向けの重点大学の募集枠を引き続き拡大する。博士課程の大学院生向けの国家学資補助金の給付基準を引き上げる。世界一流の大学・学科づくりを推進する。大学入試総合改革の試行を深化させる。現代的職業教育の発展を加速させる。民族教育を強化し、特別支援教育、継続教育、就学前教育、高齢者教育にしっかりと取り組む。教師陣づくりを強化する。「中国教育現代化2030」を策定・実施する。われわれは、人民に満足してもらえる教育を発展させ、教育の現代化で国の現代化を支え、より多くの子供たちが夢をかなえ、より多くの家庭が希望を実現できるようにしなければならない。
「健康中国」の建設を推進する。都市・農村住民基本医療保険の財政補助基準を年間1人当たり420元から450元に引き上げ、個人納付基準も相応に引き上げ、基本医療保険が適用される医薬品の種類を増やす。全国で医療保険関連情報のネットワーク化を進め、指定地以外でも治療費・入院費などに医療保険が即時適用されるようにする。重大疾患保険制度を充実させ、保障水準を高める。多形態の医療連合体づくりの試行作業を全面的にスタートさせる。これには、すべての三級公立病院を参加させて牽引作用を発揮させることとし、良質な医療資源の共有化を促す考課とインセンティブの仕組みを確立し、末端でのサービス能力を向上させ、大衆が自宅の近くで簡単に診療を受けられるようにする。級別診療(重いものは上級、軽いものは下級医療機関で治療する制度)の試行と家庭医登録制医療サービスの範囲を85%以上の地級市(県の上、省の下の行政区画単位)に広げる。基本公衆衛生サービス経費の補助基準を引き続き引き上げる。公衆衛生事件への対応を迅速・オープン・透明・効果的なものにする。医療関係者の積極性を保ちかつ引き出す。医者と患者の調和のとれた関係を構築する。全面的な「二人っ子」政策の実施に合わせて、母子医療保健サービスを強化する。中国医学・薬学と民族医学・薬学の事業の発展を支援する。食品・医薬品の安全は人民の健康に関わるため、最も厳格な管理を行わなければならない。監督管理の体制と仕組みを整え、末端の監督管理能力を充実させ、各方面にしっかりと責任を担わせ、根源でのコントロール、生産と管理の両立、厳法による処罰を堅持し、飲食や医薬品の使用における人民大衆の安全を各段階でしっかりと守る必要がある。