(五)農業の安定的な発展と農民の持続的な収入増を促す。農業の供給側構造改革を踏み込んで推進し、「強農・恵農」政策を充実させ、農民の就業・収入増のルートを広げ、国の食糧の安全を保障し、農業現代化と新型都市化が相互に促進しあってともに進むようにし、農業・農村の発展の新たな原動力の育成を急ぐ。
農業の構造調整を推し進める。農民が市場のニーズに合わせて生産を発展させるよう導き、優れた品質のグリーン農産物の供給を増やし、優れた品質の米・小麦の生産を拡大し、トウモロコシの作付け面積を適度に調整・縮小し、食糧作物から飼料作物への転作の試行面積を66万ヘクタール以上に拡大する。さまざまな方途によるトウモロコシの在庫の消化を奨励する。主産区における農産物の高付加価値加工の発展を支援し、産業チェーン・バリューチェーンを広げ、農村における第一次、二次、三次産業融合発展の新たな枠組みを築く。
現代農業の建設を強化する。農産物の標準化生産とブランドづくりの推進を加速し、食糧生産機能区、重要農産物生産保護区、特色ある農産物の特化区、現代農業産業パークをつくる。土地整理を推し進め、中・低収農地の改良に力を入れ、高効率節水灌漑面積を新たに約133万ヘクタール増やす。多様な形態の適正規模経営の発展は、中国の特色ある農業現代化が必ず通らなければならない道であり、農業保険の強力な保障なしには実現できない。今年は、13の食糧主産省において一部の県・県級市を選び、適正規模経営農家を対象に大災害保険を実施し、財政の災害救済資金の一部を調整して支援し、保険の賠償基準を引き上げ、農業再保険システムを十全化し、持続的で穏健な農業保険によって現代農業の発展をサポートする。
農村改革を深化させる。農村集団財産権制度の改革を着実に推し進め、農村土地制度改革の試行作業を深化させ、農民により多くの財産権を与える。食糧などの農産物の価格形成メカニズムと買付・備蓄制度を十全化し、農業用水価格の総合改革を推し進める。集団林権、国有営林区・営林場、農地開墾、供銷合作社(農業生産財・消費財の販売と農産物・副業生産物の買い上げを行う商業機構)などの改革を深化させる。農村での起業・イノベーションを促す仕組みを充実させ、農民工が地元に戻って起業するのを支援し、大学新卒者、除隊・退役軍人、科学技術者が農村に行って才能を発揮するのを奨励する。
農村の公共施設の整備を強化する。農村自動車道路を20万キロ新規建設または改築する。農村全域にわたる安定的で確実な電力供給サービスと平原地区におけるすべての「灌漑用ポンプ井戸」への送電を実現する。3万の行政村への光ファイバーの敷設を完了させる。農村の安全な飲用水の給水保証率を高める。農村の老朽危険家屋の改築を強化する。農村居住環境の整備を深く推し進め、現代的な文化も田園風景もある美しい農村をつくる。