地下の水漏れ部分を点検・修復する作業員
最新の調査によると、東京都内の地下水位が40年前と比べて、最大で60メートル上昇していることが明らかになった。
第二次世界大戦後、日本の全産業が復興し、多くの工場が高度成長期に地下水を大量に使ったことにより地盤沈下が進んだ。長い間たっても水位を下げることができず、それどころか、水位の上昇により地下鉄などで水漏れなどの問題が頻繁に発生している。
東京都土木技術支援・人材育成センターの調査によると、東日本大震災の影響を受けていない2010年と1970年の水位記録を比べたところ、東京23区内にある観測井戸48カ所のすべてで水位が15メートル以上上がっていることがわかった。中でも、板橋区富士見町の上昇幅は最も大きく、60メートルに達した。続いて上昇幅が大きい地域は墨田区立花の45メートル、新宿百人町の39メートル。また、板橋区は近くに工場が集まっているため地下水を多く使い、水位を過去の水準に戻せるかが最大の課題となっている。
地下水位の上昇とともに多くの問題も生じている。建設中の都市高速中央環状品川線の西五反田周辺で水溢れが発生し、品川線の完成時期は1年延期された。
また、今年3月以降、都営地下鉄の三田線の地下通路4カ所で壁の剥落が見つかった。点検と測定を行ったところ、地下水が通路の壁の内部鉄筋を腐食し、コンクリートが剥がれ落ちたことがわかった。
このような現象は、東京の都営鉄道で年間1~2件発生している。東京都交通局が今年3月から実施した緊急調査によると、都営地下鉄の水漏れは2100カ所に上った。東京都交通局は、水漏れが増え続ければ、修繕費用も増えることを懸念している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年5月2日