一部の抗日ドラマの内容があまりにも荒唐無稽でばかばかしいとの不満が巻き起こる中、中国のテレビ監督・管理部門は既に、国内の抗日ドラマの描写について改めるよう指示した上で、これらのテレビドラマに対する取締りをより一層強化することを求めた。ロイター通信北京が伝えた。
中国は長年、日本が1937年から45年にかけて、中国で犯した戦争犯罪を認めていないとし、両国の関係はずっと芳しくなかった。この間の歴史がテレビドラマで扱われたことで、それがそのまま当時の記憶として人々の頭の中に刻まれている。しかし、SNSで抗日ドラマのばかばかしいストーリーに文句を言っている中国の視聴者もいる。中国人の勇士が日本兵を素手に半分に引き裂いたり、1人で一気に何本も矢を放って、大勢の日本兵を殺したりするなど、現実離れした演出に批判が集まっているようだ。
テレビの監督管理機関の関係者、王衛平氏は『人民日報』に対し、「8年間に及ぶ抗日戦争は、外国の侵略と戦った中華民族の偉大な成果であり、映画やドラマの貴重な題材である。この頃の創作に対する不誠実な態度、でたらめな内容をでっち上げ、歴史を尊重せずに、過剰なエンターテインメント性を追及した演出は、社会にマイナスの影響を与えており、正す必要がある」と指摘した。
監督・管理機関はテレビ局に対し、抗日戦争をテーマにしたシナリオに対する再度の審査を求め、過剰なエンターテインメント性が認められた抗日ドラマについては「修正」を行い、修正ができないものについては、放送を中止するよう指示した。また、政府は誠実な姿勢で製作された抗日ドラマについては奨励し、支持する旨を示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年5月20日