航空機の運航状況を伝える米サイト「FlightStats」の最新のデータによると、世界35の国際空港の定刻出発率ランキング(6月)で、北京首都国際空港と上海浦東国際空港が、35位と34位に終わった。ただ、同データは正確な定刻出発率ではないとする専門家もいる。新京報が報じた。
■国際空港の遅延は常態化
同サイトのデータによると、今年1-6月、同2空港の定刻出発率はほとんど40%に達しておらず、常に下位争いをしている。
一方、6月のデータでは、世界35の国際空港の平均定刻出発率が69.26%と、5月の74.92%を下回った。うち、上海浦東国際空港の同率は28.72%、北京首都国際空港は18.30%だった。同サイトは、実際の予定出発時刻から15分以内の出発を、定刻出発と定義している。
同サイトは、フライト状況を伝える世界でも有数のサイトで、発着状況や空港のデータをリアルタイムにネットユーザーに伝えている。同サイトのデータは、さまざまなランキングを掲載することで有名な米誌フォーブスなどにも採用されている。
一方、中国民用航空局のデータも、中国国内のフライトの定刻出発率が年々下がっていることを示している。同局の「2012年民用航空業界発展統計公報」によると、昨年、中国全土の空港の同率は、ここ5年で最低の74.83%だった。
■遅延にはさまざまな原因
同公報によると、遅延の原因は主に航空会社や利用者の数、天気などにある。
避けることのできない天気などの原因以外に、業界関係者は、利用者の増加が遅延の原因になっていることを指摘し続けている。
上海吉祥航空の王均金・董事長は「中国の民用機の空域資源は、全体の20%を占めているにすぎず、少なすぎる。残りの空域資源80%は軍が使用している」とし、「それに対して、米国の空域使用状況は中国とは正反対だ。米国は1日当たり、民用機6万便、欧洲も1日約5万便飛んでいる。一方、中国は約1万便にすぎず、非常に混雑している状態」と指摘。「関連の部門は、空域資源のうち、民用機の使用比率を年々上げるべき」と提案している。
一方、中国民航管理干部学院の鄒建軍・教授は「同サイトの統計データは、全ての便を対象に出されているわけではなく、正確な定刻出発率をはじき出しているとは限らない」と指摘。さらに、「大規模な空港が混雑しているというのは一般的なことで、民用機の空域が少ないことが原因ではない。現在、混雑の解決策が、中国国内の航空機利用の需要の上昇の速さに、ついて行っていないのが現状。また、中国国内の大・小規模の空港の建設や分布のバランスが悪く、これも空港が混雑することの原因の1つ」と、定刻出発率の改善は至難の業であることを指摘した。そのため、「中国の経済発展の水準は欧米諸国とまだ差があり、同じ土俵で考えるのは非合理的。中国で合理的に空港が建設されるに従って、大規模な空港の定刻出発率も解決に向かうだろう」との見方を示した。
「人民網日本語版」2013年7月12日