2013年6月、アメリカ映画協会が発表したレポートが、中国映画界を奮い立たせた。2012年のチケット売上は27億ドルに達し、世界第2位の映画市場だった日本を抜いたのである。アメリカとの差もわずかだった。
このニュースは各界の注目を集め、「中国資本、ハリウッドを攻略」をタイトルにした議論が巻き起こった。「中国資本の攻略」現象は、実は昨年から見られたものだった。ハリウッドのチャイニーズ・シアターが中国企業の名前になったり、世界第2位の配給会社AMCを中国企業が買収したりしてきたからだ。しかし、華誼兄弟伝媒集団の会長、王中軍氏は「タイトルを見て驚いた」という。
真の「攻略」には文化輸出が必要
プロデューサーの戢二衛氏は、「去年から現在にかけて、『西遊記・降魔篇』や『Lost In Thailand』など、多くの中国映画がハリウッドを攻め、中国資本もハリウッドに対して買収や提携などをしてきた。ある意味、中国映画によるハリウッド攻略元年と言えるのではないか」と述べる。
確かにこの2年近く、中国資本はハリウッド攻略の進軍ラッパを鳴らしてきた。しかし中国資本が流入したからといって、中国映画界がハリウッドに進軍したことにならない。王中軍氏は率直に言う。「中国資本がハリウッドに入っても、アメリカ映画の銀行になるだけ。そんなことは全く望まない。現在、多くのアメリカ映画が中国で資金を集めている。資本的には攻略できたとしても、ほとんどのアメリカの会社は中国の会社を同等の立場として見ていない。中国映画が世界に広がるのを彼らが手伝うわけがない。では、我々はどうやってハリウッドに食い込むべきか。資本にしても映画会社にしても、学ぶべきことはまだまだたくさんある」。