「肥満」は現在、世界的な問題となっており、各国がさまざまな対策を講じている。しかし、国民のダイエットのために「ニンジン作戦」を取り、政府が報酬として「金」を掲げるといのは聞いたことがない。アラブ首長国連邦(UAE)がこのほど、30日間に1キロ痩せるごとに、市民は、その補償として1グラムの金が与えられるという、ダイエットキャンペーンを実施し、肥満率の抑制に乗り出したというのだ。同取り組みに関して、米紙「ロサンゼルスタイムズ」は17日、「石油王国であるUAEの国民が着ている、すその長い服では、全国規模で発生している肥満の問題を覆い隠すことができなくなったようだ」と揶揄している。
豪紙「オーストラリアン」の18日の報道によると、同キャンペーンを実施しているのは、UAEの首長国の1つドバイの当局で、19日から8月16日まで行われている。1キロ痩せるごとに、市民は、その補償として1グラムの金が与えられるが、少なくとも2キロ以上痩せなければ、報酬の支払いはないという。 また、同大会に参加するためには、指定の公園で体重を測り、飲食学者の指導を仰ぎ、さらに極端な方法でダイエットはしないことに承諾しなければならない。ドバイ紙「Gulf News」によると、「ドバイ政府の報道官は、『我々は、毎年健康に関する呼び掛けを行っている。今年のキャンペーンは、肥満者がダイエットや健康を保つよう鼓舞するのがねらい』と語っている」。
同キャンペーン期間中は、イスラム教徒が「断食(サウム)」を行うラマダーン(7月9日-8月7日)とも重なっている。ラマダーンの期間中、イスラム教徒は、日没から日の出までの間(=夕方以降から翌未明まで)にしか食事を摂ることができないため、その時間に1日分の食事を取る。「ロサンゼルスタイムズ」は、「1グラム程度の金では、裕福なアラブ人にとっては魅力とならないだろう」としている。
「人民網日本語版」2013年7月23日