中国中央気象台の何立富・首席予報士は、このほど中国で続いている広範囲かつ深刻な猛暑の原因について、次のように指摘した。(1)長江の中流・下流の梅雨が例年より短く、亜熱帯高気圧が7月上旬より同地区に持続的に停滞している。下降気流の影響を受け、雲が少ない晴天が続き、日光が激しく、大気中の湿度が高くなっている。(2)亜熱帯高気圧の強さが、例年の同期を大幅に上回っている。(3)大気の還流が異常で、台風が内陸部に到達していない。
何氏は、「長江と淮河の一帯、江南地方、重慶市などの猛暑は今後10日間に渡り持続し、さらに深刻化する。一部地域では、猛暑日が6−8日に達する」と予想した。
熱波の影響を受けているのは中国のみではく、日本の猛暑は中国と比べても引けをとらない。日本は今年、例年より早く厳しい夏を迎えた。6月になったばかりで、日本では35度を上回る猛暑日を記録した。時事通信社は7月30日、「総務省消防庁の統計データによると、5月27日から7月28日までに、熱中症により病院に緊急搬送された人の数が2万6800人、死者が32人、重傷者が713人に達した」と報じた。
欧米の多くの地方も、熱波に襲われている。英デイリー・エクスプレス紙は7月31日、「イギリスは今週再び熱波を迎え、酷暑により数千人が死亡する懸念が出てきた」と報じた。公式データによると、7月の3週間連続の熱波により、1000人弱の死者が出ている。しかし多くの地方が酷暑を迎える一方で、シカゴは異様な寒さに見舞われている。7月27日のシカゴの最高気温は18度のみで、例年の同期の平均最高気温の29度を大きく下回り、過去最低の最高気温の21度を3度も下回った。
南半球のオーストラリアは冬を迎えているが、現地の新聞は7月31日に「熱波が豪州の殺し屋に」と題する記事の中で、「オーストラリア政府が発表した報告によると、大都市の熱波はその他の自然災害よりも高い殺傷力を持ち、1890年以来2887人が命を落としている」と伝えた。
米ニュースサイト「The Atlantic Wire」は7月26日、「シベリアは白い雪に覆われた、北風が吹きすさぶ広大な地方のイメージがあるが、今週はそうではなかった。世界最北の大都市、北極圏以北で2番目の大都市であるノリリスクでは、気温が32度に達した。現地人は記録的な猛暑の中で、日光浴を始めた。現地の7月の平均気温は13.6度であるが、現在は最低気温の−61度をはるかに上回る32度に達している」と伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年8月1日