埼玉県春日部市のある小学校で、女性教師が6年生の英語の授業でレコーダーのスイッチを入れ、生徒たちに英語の歌を歌わせていた。しかしこの教師、実際には体育教師であった。
次に、英語教師の指導力の低さが学校を悩ませている。その原因は、英語専門の教師が少ないため、多くの教師が臨時で英語を教えているからだ。英語教育における具体的な困難についての調査では、過半数の学校が「教師の指導力不足」を挙げている。現在、多くの地域で中学校の英語の外国人教師を小学校に派遣し、不足を補うといった状況にある。東京多摩地区のある小学校英語教師は、「私は英語を教えた経験がまったくなく、私と同じく、どうやって教えたらいいのか分からない教師はたくさんいます」と教育現場の実態を語る。
3つ目の原因として、日本の小学生の英語学習に対する積極性の欠如が挙げられる。政府は小学校の英語教育に力を入れているものの、大半の小学生が英語を勉強したいと思っていない。海外留学のサポートセンターの調査によると、「グローバル人材」になりたいと思う中高生は4割にとどまり、大学生はわずか3割であった。「自分はグローバル教育を受けるには、もう相応しくない」と答えた中高生は50%、大学生は55%を占めた。さらに、24%の保護者が、「子どもがグローバル教育を受けるには、もう遅い」と回答している。この調査には小学生が英語教育を受けたいかどうかに関するデータはないが、中高生、大学生の英語学習に対する意識から、小学校の段階で日本の学生が英語教育を「望んでいない」ことが伺える。
国際社会とのつながりを深め、グローバル化の流れに適合していくため、日本政府は「子どものときから英語教育」を急いだ。確かに、政府の判断は小学生の外国語レベルの向上と異文化理解に資するものであったかもしれない。しかし、小学校での英語教育の普及は、教師と学校に大きな負担を与えることとなった。この問題を解決するために、政府は早急に対策をとり、教育体制を充実させる必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年8月22日