英紙『デイリー・メール』の報道によると、日本の科学者が先般、希少な野生動物を保護するため、精子をフリーズドライで凍結して保存するバンクを創設したことがわかった。将来的には、別の惑星でこれらの動物による生態系を新たに形成することを計画しているという。
日本の京都大学付属動物実験施設の金子武人氏率いる研究チームは、絶滅危惧種の霊長類2種とキリン1種から採取した精子を特別な保存液と混合し、フリーズドライ(真空凍結乾燥)にし、4度の環境下で保存することに成功している。この方法は従来の精子保存方法に比べ、保存温度が高く、エネルギー消費も少ないという。研究チームはすでに、大がかりな液体窒素設備を使わずに、5年間フリーズドライにして保存したラットの精子の生存能力を証明することに成功している。
金子氏は「フリーズドライによる保存方法は、遺伝子情報の取得がより簡単で、絶滅危惧種の保護研究に有益である」としたうえで、「技術はまだ人間の精子で実験できるレベルに達しておらず、今後人間への応用の研究にも取り組む方針だ」と強調した。
やや現実味に欠けるものの、将来的に我々は、動物の遺伝子を宇宙に運び、他の惑星で絶滅危惧種の動物の生態系を形成することができる可能性もある。
短期的に見れば、フリーズドライによる保存方法は従来よりも高い温度で動物の精子を保存できるため、自然災害などのよって電力の供給がストップした状況にも対応できるということである。
金子氏は「現在は応用研究に取り組んでおり、人工繁殖技術の汎用性を拡大するため、卵子を保存する技術の開発が次なる課題である」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月2日