近年、経済発展に伴い、中国各都市は摩天楼やシンボルタワーの建設に夢中になった。設計難度地域一、中国一、ひいては世界一を目指す都市も少なくない。
遠大集団も摩天楼に憧れる企業の一つ。長沙市に世界一の高さを誇るドバイのブルジュ・ハリファを超える「天空都市(Sky City)」を建設する予定だった。しかし、建設認可を得るための申請手続きを終了していなかったため、着工わずか4日で中断を命じられた。この出来事がきっかけで人々は摩天楼の建設ラッシュに疑問を投げかけるようになった。
摩天楼建設に「はまった」都市
完成したばかりの上海センタービルは、高さ632メートル、124階建ての典型的な高級ビジネスビル。陸家嘴地区の超高層ビル、上海環球金融センターの記録を塗り替えた。また、2012年に定礎した中信集団の高層ビル「中国尊」は完成予定の3年後には高さ528メートル、108階建てとなり、国貿三期ビルに替わり北京一高いビルとなる。
この他にも、青島で計画中の高さ777メートルの777ビル、珠海で計画中の680メートルの十字門CBDランドマーク、南寧で計画中の628メートルの天龍財富センター、広州で計画中の600メートルの白鵞潭CBDランドマークなど、摩天楼建設計画は至る所で進められている。
「2012年摩天都市報告」によると、公認されている基準で152メートル以上のビルは摩天楼とされる。この基準をもとに数えると、中国国内の摩天楼はすでに350棟を超えており、全世界の摩天楼の87%が中国にあることになる。10年後には平均して5日1棟の摩天楼が中国で建設されていることになる。5年後には中国に800棟を超える摩天楼が林立し、この数は現在の米国の数の4倍で、注目すべきは、この内80%が経済発展の遅れている内陸地に建てられるということだ。