米メディアが10月15日「中国のビバリーヒルズ族を拝見」と題する文章を発表し、新浪微博(ミニブログ)に転載され5600万回を超えるアクセスがあった。誰もが彼らのような友達を求めるが、誰からも好かれることはない。近年は彼らが金を湯水の如く使う姿が至る所で見受けられるようになった。しかし跡をつけるのは難しく、マスコミは避けて通る。彼らの贅沢への熱意は世界の贅沢品産業を支える柱となっており、その品のなさゆえ軽蔑され、ときに非難の対象となっている。
彼らは「土豪」と呼ばれる大富豪だ。中国語で「土(トゥー)」は野暮ったさや粗野という意味が込められ、「豪(ハオ)」は煌びやかで、華美という意味がある。彼らは中国の「ビバリーヒルズ族」とも呼ばれている。「土豪」は成金の芸術鑑賞力を備え、成金の人付き合いをする習慣があり、金遣いは非常に荒い。
「土豪」とは裕福な地主であり、根性の曲がった郷紳を指す昔の言葉であった。しかし、今年9月に流行した笑い話が、この言葉を復活させた。ある青年が禅僧に尋ねる。「私はお金はいくらでもあるのですが、幸せになれません。どうすれば良いのでしょうか。」禅僧は「なぜか」と問い返す。「私は銀行に何百万元という貯金があり、北京市内に3戸家があります。お金持ちだと思いませんか」と青年。禅僧は何も口にせず、さっと手を差し伸べる。青年ははっと目が覚め「僧侶は感謝と恩返しを求めているのですね」と尋ねると、「いいや…、土豪よ、私と友達になってくれないか」と禅僧。
これはさほど笑える笑い話でもないが、中国の中産階級の心をくすぐった。中国の中産階級は急速に拡大した階級層で、3億人いる。彼らのある程度安定したライフスタイルが次第に常態化するとともに、財力を見せびらかすことを次第に蔑視するようになった。多くの中国人が、モラルもあって流行も分かっているつもりで、「土豪」になっている。