しかし、今日の中国社会では、「土豪」に迎合することもメリットがあり、「土豪」を理解することが重要なスキルとなっている。「土豪」の友人を持つことは合理的なのだ。多国籍企業はこの点を一番よく理解しているのではないだろうか。
「土豪」も世間の注目を集めるときがある。9月20日、アップルがゴールドのスマートフォンを発売した。当初多くの人が、まさかアップルがここまで趣味が悪くなるとはと思っていたが、この携帯は中国で大人気となり、「土豪ゴールド」との呼び名がついた。これは国営メディアにトップニュースで報じられたほどだ。
9月22日、ハリウッドスターが青島に集まり、ブルームバーグ社がいう中国一の富豪王健林(ワン・ジェンリン)氏の中国版ハリウッドの開幕式が開かれた。世界のビッグスターたちが中国の警備員とぶつかり合うほど会場は混み合い、現地の年寄りが中国劇を披露するというなんとも混沌とした現場の情景に、中国のネットでは「土豪の盛宴」などと揶揄された。
激しい競争を経て、10月初めに安徽省のある女性が最も有名な「土豪」に選ばれた。報道によると、この女性は娘婿に400万元のベントレー(高級車)を結婚祝いに送ったという。事実かどうかは定かではないが、ネットでは嘲笑する人もいれば嫉妬する人もいた。
嘲笑と嫉妬、野暮と華美。これらの要素はゴールデンエイジにおける中国のさまざまな矛盾の根源である。事実からも分かるとおり、お金だけでは無用だが、富はチャンスも影響力ももたらす。「土豪」が嫌われるはずである。しかし日々厳しくなる社会で生きていくため、「土豪」と関係を作ることは(できれば「土豪」に嫁入りし)、依然他人に羨望のまなざしを集める近道なのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月17日