第二に、社会制度が健全化しており、結婚は利益の面で、もはや必要な選択ではなくなっている。結婚しなくても、年金制度で個人の老後の生活は保証される。田中千春の選択がやむをえないものだとするなら、別の登場人物の女性、桐島春子は忠実な「結婚しない」信念を持つ人だ。日本では結婚後、多くの女性が家庭のために仕事を辞めている。成功した造園プランナーである45歳の桐島春子は、仕事のために結婚しないことを選んだ。
第三に、結婚は責任を意味するものだ。不動産価格や物価が上昇する中で、日本の若い男性の多くは結婚することで高いレベルの生活を放棄することを望まず、相手を探す女性の選択肢を少なくしている。
実際には、結婚しないことは出生率の低下や高齢化の拡大といった一連の問題をもたらしている。しかし日本では、結婚するかどうかは完全に個人の選択であることは認めなければならないだろう。筆者が見るに、こうした多様な選択は人類社会が現代化した結果だろう。現代社会の最も素晴らしいところは、より多くの人に独立した魂と思想を持たせ、自分の意志に基づいて選択できるようにさせ、またその決定の結果を背負う能力を持たせることにあるのだ。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年1月25日