今年はもしかすると、ソチが冬季五輪を開催する絶好のタイミングかもしれない。最近の研究によると、今世紀中頃にこのロシアの都市では温暖化が進み、冬季五輪の多くの競技に適さなくなるというのだ。
またこの研究によると、世界的な温暖化により、これまでの冬季五輪の開催都市(カナダのバンクーバー、米カリフォルニア州のスコー・バレー、ドイツのガルミッシュ=パルテンキルヒェンなど)は、今世紀中頃に深刻な温暖化により、冬季五輪を開催できなくなるという。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が昨年発表した気候データによると、過去20年間に地球の表面温度が上昇を続け、北半球の雪の面積が減少した。
カナダのウォータールー大学とオーストリアのMCIマネジメントセンターの研究者は、IPCCおよび世界気象機関が提供した気候データの研究を進め、世界温暖化の冬季五輪開催地に対する今後の影響について分析した。
研究者の主な研究内容には二つの要素がある。これらの要素は、冬季五輪開催地が、「気候上の信頼性」を持つか否かを決める。一つ目の要素は、毎日の気温が氷点下を維持する確率だ。二つ目の要素は、これらの開催地が30センチ以上の積雪を維持する確率だ。10年間の冬のうち9年間がこれらの条件を満たした場合、冬季五輪の開催地になれる。
これまで冬季五輪を開催した19都市のうち、今後数十年間で再び冬季五輪を開催できるのは、多く見積もっても11都市のみとなった。ウォータールー大学の研究者は、「この研究結果は、冬季五輪の開催地の選択に影響を及ぼすことになる。競技そのものも、変更が余儀なくされるかもしれない」と指摘した。
冬季五輪のメダリストたちは、オバマ大統領宛の手紙の中で、地球温暖化のウインタースポーツに対する影響を懸念していると表明した。これらの選手は2013年4月に、「プロの選手、2300万人のウインタースポーツの愛好者の代表として、私たちは気候変化をこの目で目撃している。紛れも無く、冬はトラブルに直面している」と記した。
しかし同研究は気温ばかりに注目し、制限が存在する。今後の研究は、気候変化の降水量に対する影響も分析するべきだ。気候温暖化が降水量に影響するかについては、まだ明らかになっていない。最近のある研究によると、比較的温暖な空気には多くの湿気が含まれるため、一部の地域では降雪を含む降水量が増えることもあるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月9日