しかし、林風さんは「寂しさ」は「悲しみ」ではなく、「時に寂しさがもたらす静けさも楽しい」という。そしてその感覚を「オタク」と表現している。
昨年に大学を卒業した林風さんは、一時アモイのアニメ制作会社に就職したが、オフィスでの時間が窮屈だったため、すぐに辞めてしまった。彼の次の計画は日本に留学し、「進んだアニメ文化の世界を肌身で感じること」だという。
両親は明るく前向きな性格で、林風さんは自由を得ることができたのだが、自分で自分を家に閉じ込めてしまった。
朝5時6時に寝て、昼の12時に起き、5日間も6日間も家を出ないことは当たり前。最長で10日間家を出なかったこともあったと林風さんは振り返る。部屋には着替えた服がベッドの横にうず高く積まれ、机にあるパソコンは年中電源がオンのままだった。
「二次元彼女」は彼と世界をつなげる重要なルートとなり、さらにネットで「彼女」の写真集を販売もするようになった。
林風さんは自分の寂しさを紛らわせる癒し空間を手にしたのだが、そんな彼に対して否定的な見方をする人もいる。
「自分の理想の彼女を描き続けていると、仮に街でまったく同じような姿の現実の女性と出会えたところで、あなたはそれまで架空の彼女と接してきたために行動も言葉もきっと変。最終的に現実の女性には避けられてしまうのがおち」。ネットユーザーの「妖気娘」さんは指摘する。
林風さんさんは日本留学を来月に控えている。「まずは外国語学校に行って日本語を学び、様子を見てアニメ製作学校に行けないか考えてみます」と林風さんさんは話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月3日