イギリスのある数学能力調査機関の調査によると、イギリス人成人の数学力が低いことが原因で政府は毎年、直接あるいは間接的に約200億ポンドの経済的損失を招いていることが分かった。これを受け、今年2月に教育大臣が「お経を求めて」中国・上海を訪れ、現在は60名の数学教師が訪英し数学を教えている。英BBCが12日伝えた。
同調査機関は、数学力が低いことで国民の給与減、会社の収益減、政府の税収減を招き、政府は毎年GDPの1.3%に当たる200億ポンドの経済的損失を被っていると指摘。この他の刑事司法や国の医療サービスといった分野における損失額は計り知れないと指摘した。
なぜイギリス人は数学が苦手なのか。その原因の一つは、彼らは数学を学び始めてすぐに電卓に依存しているということが挙げられる。政府が10~12歳の学生を対象に行った数学能力調査では、電卓を使わなかった場合、27%の学生が2.36+1.49の計算ができず、36%の学生が415÷5の計算ができなかった。
二つ目は、イギリス人は数学への興味が薄く、数学を軽視しているということが挙げられる。同調査では、25%の学生が「数学は勉強したくない」としており、その理由は、「勉強してもできない」が35%、「つまらない」が45%に達した。
三つ目は、数学教師の資格取得への取り組みが極めて少ないことだ。イギリス国内の小学校で数学で学位を取得している教師は3%しかいない。
今年2月、イギリスのエリザベス・トラス教育大臣が代表団を率いて「お経を求め」中国・上海を訪れ、「九九表」を学んだ。大臣の帰国後、イギリス政府は中国から数学教師をイギリスに招くことを決定。上海側は60名の数学教師をイギリスでの教育に充てた。イギリス側も60名の数学教師を中国に長期的に派遣し、数学教育水準の向上を図ることとなった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年3月15日