今月22日、習近平国家主席はオランダの首都アムステルダムを訪れた。当日夜、習主席と彭麗媛夫人は伝統的な中国式の衣装で、ウィレム=アレクサンダー国王主催の盛大な宴席に出席した。外交部礼賓司元司長の魯培新氏は、正式な外交の場に中国式衣装で出席したのは習主席が初めてで、中国文化の風采が十分に示され、中国の外交への自信が体現されたと述べた。
会場の雰囲気に呼応した服装
新華社の報道によると、習主席と彭夫人は重要な外交の場においていつも「ペアルック外交」を披露していると一部ファッション業界やネットユーザーの間で話題になっている。それは今回も例外ではないようだ。
魯氏によると、習主席夫妻の衣装の組み合わせは、オランダ側が設ける宴席の規格や規模とも一定の関係がある。今回の宴席は高貴で厳かなアムステルダムの王宮で開かれたヨーロッパ最高規格の宴席であった。国王はヨーロッパの古典的風格の礼服を身にまとっており、「向こう側が欧州のタキシードを着るため、主席がスーツを着てしまっては不釣合い。そこでこちらは中国式の民族衣装を選んだことはとても良い判断だったと思う」と魯氏。
国の指導者の外国訪問の際には、外交部礼賓司の職員が前もって現地へ赴き、指導者の訪問日程、視察場所、協議内容や儀式の確認などを行うことになっている。魯氏によると、外交部礼賓司としては指導者の服装に対して明確な規定はなく、指導者自ら決めることになっている。しかし、礼賓司は会場の大まかな要求や特徴、内容を指導者に伝えるため、指導者はそれに基づいて服装を選ぶことができるという。同様に、今回の訪問においても、日程の詳細を確認する際に服装についても事前に話し合われ、こちら側としても心積もりがあるため、主席夫妻の服装がしっかりと会場の雰囲気に呼応したものになったのではないかと魯氏は推測する。
魯氏はまた、厳かな外交儀礼であればあるほど民族衣装を着用するように変化してきており、実際に国の指導者が民族衣装を着て儀式に出席することは普遍的になってきていると話す。中東諸国の指導者の「白衣にターバン」、ミャンマー男性の「スカート」など、これらの国の儀式や式典では民族衣装が定番となり、民族の誇りが表れていると語る。
中国の指導者の場合は、特に改革開放以降何代にも渡ってスーツを着用しての外交が行われてきた。今回習主席が民族衣装を選んだことは、我が国の外交への自信の表れであり、中華民族の文化の豊かさを示すことになったと魯氏は語る。