マスクは本来公衆衛生のため、あるいは仕事上の理由で着用されるものだが、近頃は習慣的に常時マスクを着用している人が増えている。日本では「伊達マスク」とも呼ばれ、初めは顔を隠すことが目的だったが、次第に心理的にマスクが手放せない「マスク依存症」と呼ばれる症状を患うまでに至っている。レコードチャイナが11日伝えた。
日本のある企業が今年3月に実施したアンケート調査によると、60%~70%の回答者が「伊達マスク」および「マスク依存症」という言葉を聞いたことがないと答えた。一方で、全体の14.8%の回答者が「伊達マスク」を経験したことがあると答えているのに対し、20代以下の女性の割合が41.2%と特に高い結果となった。そこには、「アイメークを強調するため」、また「化粧をしていないから」という背景があることが分かった。
同調査では、自分自身が「マスク依存症」だと認知しているという20代以下の男女が他の年代に比べて多いことが確認され、その背景には「人の視線を避けたい」、「自信がない」、「他の人とうまく話せない」、「マスクがあると安心する」、「接触されにくい」、「視線が気になる」などがあると挙げている。
現在、ウイルス感染の防止や風邪予防のため、日本の小中学校では積極的にマスクを配布したり、大気汚染予防のためにも使用したりと、日常的にマスクを着用する人が急増している。しかし、それが知らず知らずのうちに「マスク依存症」の状態に陥り、さらには人前で極度に緊張する、他人の反応に敏感になる、自分の視線が相手に不快感を与えるという恐怖を抱く、他人の視線が怖くなるといった他者との関係における心理的状態から、身体的症状として発汗、震え、筋肉のこわばり、動悸が表れてくることもあり、「社会不安障害」の症状が表れる可能性も考えられる。
「マスク依存症」は、年齢の高い人と比べて生きている時間と経験が少ない若者にとって、社会のサポートを求めているシグナルかもしれない。マスクを着用することである程度の安心感は得られるかもしれないが、根本的な治療にはならない。こうした心理的症状を根絶するためには、やはり科学的な見地から治療を行っていく必要があるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年4月14日