15回の五輪インタビュー経験をもつアメリカ人スポーツ記者のブライアン氏は、「メダルを噛む行為は半分ジョークみたいなもので、屈辱的な意味はない。日本人も自由に表現すればよいのでは」と述べている。しかし、アルペンスキー競技の日本代表監督を務めた丸山寿一氏は、「禁止令こそないが、あのポーズは不謹慎だ」と述べている。
果たして日本のスポーツ界にこのような動きが見られるのはなぜなのか。それは2020年に開催される東京夏季五輪に関係している。実は、日本は大型の国際大会を開催する前にはいつもこうした「思想教育」を行う習慣がある。1964年の東京五輪の4年前から、日本政府は道を綺麗にするよう呼びかけている。道にゴミ箱を設けない、ゴミは分類して定期的に回収する、立小便をしないといったルールはすべてその時から始まった。
1970年に大阪で開かれた万博の前もそうだ。日本人がエスカレーターを利用する際に片側一方に立つようになったのは、当時大阪人がイギリスのマナー規範を模倣したものだ。日本のタクシーのサービスが世界一流なのもこの当時の「教育」によるところが大きい。
これらはすべて日本人の自信のなさの表れで、世界に恥を晒したくないという思いが一般的なマナーをさらに厳しくして国民を管理しようとするのだ。そうすると必然的にユーモアは幾分減り寛容度は下がる。実際のところメダルを噛んではいけないというような「非強制的ルール」はまったく必要ないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年4月20日