長野県と岐阜県にまたがる御嶽山が27日に噴火してから、現在まで心肺停止状態で発見された人は36人、負傷者は63人に達しており、数え切れないほどの行方不明者が出ている。突然の災害に対する不安が、登山客の家族の間に広がっている。
29日付朝日新聞によると、約60人の家族が待機所に詰めかけ、失踪者の情報を待っている。情報がほしい、誰が不明か具体的なことを知りたいと、涙ながらに警察官に訴える人もいた。救助された登山客は動揺を隠せず、「生きて帰れるとは思わなかった」、「死の覚悟をしていた」、「子供にメールを送ろう」と語った。ある生存者は当時の状況を振り返り、「御嶽山が急に噴火し、火山から煙が上り、ドカンという音と共に火山灰が勢い良く降ってきた。1秒前までは青い空が広がっていたが、一瞬にして闇に包まれた。硫黄の匂いがし、岩の裏に身を隠しながら、背中が熱風に焼かれる感覚がした」と話した。
28日付静岡新聞によると、火山噴火予知連絡会伊豆部会委員を務める小山真人静岡大教授は、御嶽山の噴火について、「マグマの大規模な上昇ではなく、地熱活動の変化による水蒸気爆発だろう。こういう噴火は高精度の観測機器でも前兆を捉えにくく、同様の噴火は起こり得る」と述べた。気象庁の関係者も、不測の事態に備えるため、登山客に避難路の確認、防災食と防災グッズの準備を呼びかけている。日本のネットユーザーは気象庁の警報発令能力を疑い、「これほど大規模な火山の噴火を事前に予測できないならば、常に警戒しなければならないということか」とコメントした。
29日付日本経済新聞によると、日本列島は110の活火山を抱える、名実相伴う「火山列島」だ。1914年に鹿児島県の桜島で発生した大正大噴火は、20世紀の日本最大規模の噴火とされている。噴火後、鹿児島県中部ではM7.1の強震が発生し、家屋が燃え、60人弱の死亡者が出た。マグマが海に流れ、桜島と大隅半島をつなげ、桜島を島から半島に変えた。この100年間に渡り、北海道の十勝岳、熊本県の阿蘇山、長崎県の雲仙普賢岳などの活火山が突如噴火し、日本に数多くの痛ましい教訓を残している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年9月30日