中国青年報:日本の学生はいかに勉強とバイトを両立しているのか?
余さん:日本にも大学受験があり、多くの予備校がある。勉強も学生の重要な仕事だが、学業の負担は中国ほどではない。中国の高校生は、大学受験が全てであり、バイトをする時間などほとんどない。しかし日本の高校は午後3時で放課になり、その後の時間は自分で使える。日本の高校生は満16歳になれば、規定された時間内でのアルバイトを認められる。私の友人が働いていた店には、数人の高校生がいた。
私がレストランで働いていた時、関西の名門校・立命館大学に通う佐治君という同僚がいた。彼はとても仕事のできるアルバイターだった。あるとき何気なく彼の勤務表を見てしまったが、彼は毎週3−4回出勤し、平均8時間、時には12時間も働いていた。それなのに学校の授業を欠席したことがなく、成績も優秀だった。彼のような学生は、少数派ではない。日本の大学生がいかに学業とバイトを両立するか、私にとっては非常に謎だったが、彼らのことを尊敬した。
中国青年報:日本の保護者はどのように考えているか?
余さん:日本人の人付き合いの原則には、「他人に迷惑をかけない」という重要な内容がある。日本の両親は子供が幼い頃から、独立できるよう教育する。豊かな家庭でも、保護者の多くはバイトを奨励する。また一般的なサラリーマンの家庭にとって、子供が私立大学に入れば、大きな経済的負担になる。子供が積極的にバイトをすることで、家計の負担を軽減できる。
中国青年報:バイトで接した日本の若者にはどのような特徴があったか?
余さん:日本社会でも近年、通学も働きもせず、家に引きこもり社会の競争と向き合おうとしないニートと呼ばれる若者がいる。しかし全体的に見ると、日本の若者は独立・成熟している。バイトで知り合った同僚の多くは、苦労に耐えることができた。これは日本社会の人材育成の特徴であり、保護者と学校は学生を早いうちから自立させようとしている。日本の保護者が子供を甘やかすことはない。彼らは子供に苦労させ、一日も早く彼らの独立意識を養おうとする。
日本企業が世界経済で重要な地位を占めているのは、素養が高く必死に働ける社員がいるからだ。このプロとしての精神は、大学時代に受けた訓練によって養われている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年11月5日