日経新聞の中国語版「日経中文網」は26日、コラムニストの青樹明子氏のコラムを掲載した。青樹氏はコラムの中で、興味深い話題について触れた。中国で生活・勤務している日本人は、帰国前に中国の何を食べようとするだろうか?日本にいる外国人は、帰国前に日本の何を食べようとするだろうか?日本人は日本を離れる前に、何を食べるだろうか?青樹氏は、次のように綴っている。
海外暮らしは、出会いと別れの繰り返しだ。遅かれ早かれ祖国に帰らなければならないという前提があり、どれほど深い関係を持っていても最終的には別れを迎える。
長期的に生活した場を離れるのは苦しいことだ。親しい友人との別れは、さらに苦しいことだ。また慣れ親しんだ「味」との別れは、特に苦しいことだ。
慣れ親しんだ味は、人によって大きく異る。
中国滞在を終え帰国を決めた日本人に対して、筆者は例外なくこう聞くだろう。「帰国前日に何を食べるか?」
答えはそれぞれ異なり、興味深い内容だった。
まずは北京から帰国する日本人を見ていこう。
中国全土の美食が首都に集うため、最後の晩餐は北京料理とは限らない。
「俏江南で辛い四川料理を食べてから帰国したい」
「日本人はやはり江南料理を食べないと。孔乙己酒店でウイキョウをつまみに紹興酒を飲み、北京の最後の生活を記念したい」
日本では味わえない現地の美食を選択する人もいる。
「水餃子をたらふく食べたい。和平賓館の裏の圓キン餐館で最後の夜を過ごしたい」
しかし上海に常駐している日本人にとって、「帰国前の最後の晩餐」は種類が豊富過ぎるため、選択が困難だ。
「上海蟹が最高だ。鴛鴦酒家で上海蟹を思い切り楽しみたい」
「最後の夜は妃香酒館に行きたい。あそこの麻婆豆腐は、帰国後も夢に見るほどだ」
「豫園の南翔饅頭店に行きたい。日本で小籠包は高級料理で、上海にいる間に多く食べておきたい」
ついでではあるが、香港ならば、「時代広場店の『翡翠』でラーメンと小籠包を思い切り食べたい」と言えば、誰もが納得することだろう。