2015年のキーワードの一つ、「インターネット+」は単なる概念ではない。O2Oを始めとする「インターネット+サービス」が、衣食住のさまざまな面から私たちの暮らしを変えている。
「路傍で手を挙げる」は都市部でタクシーを呼ぶ主な手段だ。事前に電話をしタクシーを迎えに呼ぶこともできる。しかしタクシーが今どこにいるか、いつ来るかについては「不明」だろう。
ところが今日、このすべてが変化したようだ。「タクシーを待つ」が「タクシーが自ら乗客獲得に乗り出す」に変わった。いつまでも待たなくても、スマホをタップするだけで周辺のタクシー運転手に自分の需要を知らせることができる。かつ乗客と運転手の基本情報が透明で、位置、個人の信用度、連絡先を会う前に知ることができる。
インターネットとの融合により、伝統的なタクシー業界に新たなサービスモデルが生まれた。これは批判されていた「タクシーを呼べない」という問題をある程度解消した。同時に新たな「火花」を散らし、「専用車」「特急車」「順風車」といった差別化された、より効率的なサービスモデルが生まれた。
インターネット+外食
午前9時から午後5時まで働くサラリーマン・OLは、「今日の昼食は何にしようか」という悩みを持っていることだろう。2015年は「インターネット+外食業」が生まれた一年だ。数多くの出前注文サービスが、一般的な消費者のスマートフォンに進出している。昼食の時間の「どこで食べる」が、徐々に「どこを呼ぶ」に変わっている。1人では出前注文を利用できる金額に達しなければ、オンライン上で他の人の注文と組み合わせることができる。こうして家を出ずして周辺のグルメをすべて楽しむことが現実化した。
また外食業のO2Oにも、多様なサービスモデルが生まれている。出前ばかりでなく、調理師を自宅に派遣したり、火鍋を自宅に届けることも可能だ。携帯アプリで近くのプロの調理師を自宅に呼べる。これまで出前で届けることが難しかった焼き魚や火鍋などの店舗も、出前サービスを試している。店側が調理器具を持ち込み食べるための準備を整える。食事を終えた消費者には、片付けのサービスも提供できる。
インターネット+家事
IT企業は2013年より家事に進出している。各社はアプリを使い、自宅清掃の予約を受け付け、サービス提供後にすべてのユーザーに公開されるコメントを掲載している。近年の発展に伴い、2015年も「インターネット+家事」モデルが成熟化・多様化を続けた。
この自宅訪問が必要なO2Oは、早くから各業界に浸透していた。洗車、洗濯、理髪、ペットの世話、ボディーガード、ランニングなども、ワンタップで実現されるサービスになった。
インターネット+銀行
周知の通り、第3者決済システムは伝統的な銀行業とインターネットの融合の産物だ。いわゆる第3者決済とは、商品の所在国および国内の大手銀行と契約を交わし、一定の実力と信用を持つ第3者の独立した機関が提供する、交易をサポートするシステムのことだ。
国内の第3者決済の起源は、2000年以前に遡ることができる。最も高い影響力を持つのは、アリババ・グループの馬雲CEOが2004年に創設した、第3者決済システムの支付宝だ。その後、財付通、快銭、PayPalなど第3者決済企業が競争に加入した。「後発者」の微信支付は、圧倒的なユーザー数により台頭している。
基礎的なオンライン決済機能以外に、第3者決済システムは振替、財テク、生活費の支払いといったさまざまなサービスを提供している。これにより個人の資金のやりくりが、さらにフレキシブルになっている。銀行に行かなくても無料で少額の振替ができる。顔を合わせなくても、いつでもどこでも友人にご祝儀を送ることができる。さらには電気事業者の営業店の閉店後も、アプリを使いネット上で電気料金を支払うことができ、一時的な停電を心配する必要はない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年12月27日