
写真は「南海1号」の発掘現場。

写真は「竜泉窯系青釉菊瓣紋碟」。
宋代の沈没船「南海1号」の船体が数年前に引き揚げられ、注目を集めた。今や調査と保護により、船体と文化財の固定に用いられる鉄製の箱に入れられた南海1号が、水面から浮上した。これに伴い、古代の陶磁器加工技術、造船技術、海外海上輸送の歴史が紐解かれた。記者は1月9日に同船の保護現場を取材し、最新の発掘の成果を明らかにした。
同船は貨物を満載した沈没船だ。中国南東部の港湾で貨物を積み込んだ後、南・西アジアとの貿易活動に向かう途中で海底に沈没した。船内の貨物は磁器と鉄器が中心で、大量の貨幣がある。紙や絹などの有機物は、すでに分解され失われた可能性がある。2016年1月5日までに1万3000点以上の磁器、151点の金器、124点の銀器、170点の銅器、約1万7000枚の銅銭、多くの動植物の標本や船の木などが見つかっている。
見つかった文化財のうち最も多かったのは磁器だ。保護・調査作業を率いる劉成基氏は、「磁器は主に南方で当時有名だった窯元の製品で、江西、福建、浙江などで作られたものが多い。金・銀・銅・錫の器や漆の器などの発見も非常に重要だ。金頁や銀鋌にも多くの店の名称、重量、地名などが刻まれており、南宋時代に商品が活発に取引され、海外貿易にまで拡大していたことが分かる」と話した。
船内の調査作業は2016年にほぼ終了する見込みで、今後は船外の調査、船体の補強と移動、船体の保護、全面的な展示などの作業が実施される。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年1月11日
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