知能が必要な複雑な作業も、近年はロボットが担当できるようになった。現場の状況に応じた選択と判断は、ロボットが苦手な内容だった。しかし、モノのインターネット、ビッグデータの時代に入り、この問題は自ずと解消された。ビッグデータはロボットに人間のこれまでの経験を教える。モノのインターネットとセンサーは、ロボットの神経感知システムを延長する。ロボットはこうして学習能力と自主判断能力を持つようになる。
◆個性的な創意は代替不可
産業ロボットもスマートロボットも、人ではなくモノであるため、感情・個性・意識・道徳といった人間らしさや、革新・創意・創造の能力を持たない。そのため、人間らしさが必要とされる分野に、ロボットが付け入る隙はない。
スマートロボットはレントゲンを読み取り診断するほか、X線検査やCTスキャン、麻酔や手術を行い、薬を出すことができる。これらの作業は多くの医療機関のロボットが、人間よりも上手にこなしている。しかしロボットは患者を慰めたり、心理カウンセリングを行うことができない。その人に応じた診断・治療もできなければ、患者と心を通わせることもできない。
芸能・デザイン分野での活躍も期待できない。例えばファンは芸能人の歌やダンスに酔いしれ、本人やそのプライベートにも興味を抱く。ロボットであれば、このような興味が湧くことはない。
ロボットは感情が必要な仕事にも進出できない。ロボットは高齢者や体の不自由な人を介護することができるが、心を込めることはできない。ロボットは講義することができるが、生徒に合わせた差別化された指導は不可能であり、保護者や教員の代わりにマンツーマンで指導することもできない。
スポーツ競技でも、人の代わりにはなれない。コート上でロボットがサッカーをすれば、人々は新鮮だと感じるかもしれないが、胸が躍ることはない。
「人民網日本語版」2016年3月11日