韓国メディアが4月27日から28日、毎日2時間かけて江南エリアの狎鴎亭、新沙洞といった「美容街」を観察したところ、かつてよく見かけた中国人患者がいなくなっているのを発見した。昨年初頭には、マスクをつけた整形手術を終えて中国語をしゃべる女性たちをよく見かけたものだった。「参考消息」ウェブサイト版が5月10日に伝えた。
韓国「朝鮮日報」ウェブサイト版の5月9日付記事によると、韓流医療に赤信号が点っている。整形手術などの治療に訪れる訪韓中国人の数は2009年に4725人だったが、2014年には79481人に膨れ上がった。しかし昨年は一転、20%減少となった。中国人の韓国医療に対する満足度も、前年の89.6点から86.6点と3ポイント減少している。
ある分析は、彼らの韓流医療に対する興味が冷え始めた大きな原因のひとつとして、韓国の整形手術の副作用やボッタクリなどのマイナス面が中国メディアで度々報じられたことを挙げている。
韓国政府は2020年までに、のべ100万人の外国人患者の受け入れを計画している。治療観光で2兆9000億ウォンを稼ぎ出したい考えだ。しかし中国人患者の減少に伴い、計画に暗雲が立ち込めている。韓国の保健福祉省は4月22日に政府代表団を派遣し、中国の国家衛星計画生育委員会と会見。中国患者の権益保護などについて話し合った。韓国政府はすでに4月から「美容整形付加価値税の還付制度」を実施している。これは外国人患者が手術内容や治療費など詳細な内容を知ることができると同時に、治療費の付加価値税10%を還付する制度だ。また韓国政府は6月から手続費(10~20%)の制度を作り、正規の仲介組織が適切な仲介手続費用で仲介活動を行うようにしていく。
延世大学保健行政学科教授の秦基南氏は、「中国人を含む外国人医療観光客数の減少は積極的に韓流医療の競争力を各面で向上させる良いきっかけだ。無秩序に外国人患者を勧誘してはならない」と述べる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月15日