リオ五輪が開催中だが、東京五輪の準備作業も進められている。日本メディアは10日、安倍内閣の女性トリオの一人、新任の丸川珠代五輪相と先ほど当選した小池百合子東京都知事が犬猿の仲で、五輪の準備作業に影響が及ぶ可能性があると報じた。
【昔から不仲】
安倍晋三首相は今月上旬に内閣改造を行い、環境相の丸川珠代氏を五輪担当相に起用した。このポストは2020年東京五輪・パラリンピックを迎えるため置かれたもので、政府と東京都の連携・調整を主な職責とする。
しかし丸川氏と小池氏はこれまでも不仲だった。都の職員は、この2人の緊張関係が、東京五輪の準備作業に影響を及ぼすことを懸念している。
2人の「密かな駆け引き」については、先月末の東京都知事選から見ていく必要がある。小池氏は自民党員であるが、自民党の推薦と支持が得られぬまま出馬した。丸川氏は選挙中、自民党と公明党が推薦した増田寛也氏を応援し、何度も小池氏に「攻撃」を仕掛けていた。
丸川氏は応援演説で「内輪の悪口ばかりを言う人は必要ない」と繰り返し、さらに事を構える人物を東京都知事に就任させれば「時間の無駄」になると批判した。
【各自奔走中】
東京五輪の準備時間が短くなるなか、丸川氏と小池氏が奔走している。しかし2人が目指していることは異なっている。
丸川氏は10日に会議を開き、リオ五輪開幕式を視察した際の感想を話し、東京五輪の準備作業に関わる人員に対して、五輪を成功させるため努力するよう求めた。「東京五輪を素晴らしい五輪にし、子供たちに深い印象を残し、次の世代に語り伝えていってもらいたい」
丸川氏はまた、五輪を東京だけで開くのではなく、一部の競技を2011年3月の東日本大震災の被災地である、福島県などで開催したいと表明した。国際オリンピック委員会(IOC)と調整することになるため、理解していただきたいと述べた。
小池氏も行動中だが、目標は東京五輪の支出削減だ。小池氏は10日、野党・民進党の岡田克也代表と会談し、東京五輪の予算を削減する方針で一致した。
その前日、小池氏は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長と非公式会談を開いた。両氏は五輪の運営費の削減で合意した。
注目すべきは、その会談終了前、丸川氏も会議室に入ってきたことだ。「ライバル」が遭遇し、ほとんど話す言葉もなかった。丸川氏は会談後、記者に対して「知事とあいさつだけした。私にがんばってくださいと言われたので、よろしくお願いしますと答えた」と述べた。
2人の緊張関係について、東京都の職員は「2人はベテラン政治家であり、成熟した手段により対応して欲しい」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月12日