インターネット動画を例にとると、正規版重視の傾向に伴い、版権とネットワーク帯域が動画サイト最大のコストになっている。主な収入は広告だが、それだけではコストを賄いきれず、無料サービスが維持できない。今年6月までに動画サイトの愛奇芸の会員数は2000万人を超える。無料ユーザーは依然として存在するが、視聴前に広告を視聴しなければならない。一方、会員になると広告の視聴は必要なくなる上、ネットドラマを人より早く見ることができる。またより多くの映画も見ることができる。楽視や優酷、騰訊といった動画サイトも同様のビジネスモデルを採用し、自分たちのユーザーを囲い込んでいる。
版権保護の強化に伴い、動画だけでなく書籍や音楽のサービスでも課金を認めるユーザーが増えてきている。
ITニュースサイト「飛象網」の項立剛CEOは、「インターネット上では現在、一部サービスで有料化が始まっている。なぜなら、どんなプラットフォームの運営もコストがかかるからだ。ユーザー数がそれほど多くなければ、プラットフォームがそれを負担することになる。ユーザー数が多くなるに従い、振替や現金引き出しのコストも高くなる。プラットフォームにそのような高いコストを負担する力はない」と述べる。
しかし無料モデルは依然として存在する。プラットフォームが提供する基本サービスやニュース提供サービスなどである。現在最も流行するクラウドサービスでは、さらに多くのストレージやサービスが欲しいと思えば、会員申請が必要となる。
DCCI研究員の劉興亮院長は取材に対し、インターネットの課金は今後さらに増えていく一方、無料サービスはますます減少するとの見方を示しながら、これはインターネットサービスの趨勢なのだと指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月14日