中国人客に不満を持つ人がいれば、何も悪いことはないと感じている人もいる。東京の三越店内では、中国語を話せる販売員がいる化粧品売り場があれば、いない売り場もある。後者の責任者は「特に中国人客を嫌っているわけではなく、不満を耳にしたこともない。当社は中国に工場も店舗も設置しておらず、中国人の間で知名度が低い。当社は方針を調整中で、中国での知名度向上に努めている」と話した。
銀座で衣料品を販売する女性店員は「中国人は親しみやすく、すぐに購入してくれる。試着を繰り返して結局買わないということは少ない」と語った。
記者が取材したところ、日本の店は不満があっても、全体的に中国人客を歓迎している。それとは対象的に、一般人は中国人客に対して深い先入観を抱いているようだ。
ある日本人の知り合いは記者に、「以前はよく、会社の外の寿司屋で昼食をとっていたが、今や中国人客に占領され、昼休み中なので列に並ぶ時間もない。実に不便で、店が破裂しそうなほどだ」と不満を漏らしたことがある。
日本のコラムニスト、姫田小夏氏は「週刊ダイヤモンド」(電子版)の記事で、中国人客の「爆買い」により日本人客が不満をつのらせ、一部には強い怒りを覚えている人もいると記した。2人の主婦によると、以前は店員から愛想よくされていたが、中国人が来ると直ちに冷遇されるようになったという。
これらの不満については、日本の経営者にも苦悩がある。多くの中国人客を歓迎すべきか、それともより長期的な日本人客を歓迎すべきか?
ある日本の公務員は記者に対して「中国人客への矛盾した心理は確かに存在する。主婦、サラリーマン、学生などは中国人客と利益の接点を持たないため、悪いイメージを持ちやすい。中国人客で儲けた店と、利益を手にしておらず不満を持っている人々では、中国人客に対する態度がまったく異なる。これは日本国内の矛盾だ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月4日