南半球の生態系回復スピードは北半球の2倍

南半球の生態系回復スピードは北半球の2倍。 米国の科学者はこのほど、化石化した植物の葉に見られる昆虫の損傷状況の分析結果として、恐竜を滅ぼした大量絶滅以降の生態系の回復が、南半球で北半球の2倍のスピードで進んでいることを明らかにした…

タグ: 生態系,回復 スピード

発信時間: 2016-11-15 16:21:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米国の科学者はこのほど、化石化した植物の葉に見られる昆虫の損傷状況の分析結果として、恐竜を滅ぼした大量絶滅以降の生態系の回復が、南半球で北半球の2倍のスピードで進んでいることを明らかにした。大量絶滅以降の生態系研究における新たな知見として注目されている。Nature Ecology & Evolution 紙(Nature 関連誌)が7日付けで伝えた。 

白亜期末の絶滅は約6600万年前、メキシコ・チクシュルーブでの大隕石衝突によって引き起こされた。隕石の大きさは直径約10キロと推測され、衝突後に完全に蒸発。巨大なエネルギーを放出し、大津波を引き起こしたとされる。大量の灰が地球を覆い、太陽光はさえぎられ、食物連鎖上の草食動物や肉食動物が死に絶え、生態系が破壊された。 

植物と草食性昆虫との相互作用は、地上の食物ネットワークの重要な構成要素である。北米ではその相互作用の回復に900万年の年月がかかったといわれている。しかし南半球では、被害がそれほど深刻でなく、北半球で絶滅に至った種にとっては、南半球が「避難所」になったとの指摘もなされている。 

その一方、米ペンシルベニア州立大学の研究員が、アルゼンチン・パタゴニアの発掘現場を調査したところ、昆虫が葉に与えた損傷の度合いは北米と同等に深刻であり、南半球の「避難所」論は否定される結果となった。 

ただ両半球で被害程度が同じであっても、昆虫と植物の間の相互作用は、南米ではわずか400万年で完全に回復しており、北米の900万年と比べると南米の生態系の回復スピードがはるかに早いといえる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月15日

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