「西遊記之大聖帰来」は計画を8年温め、制作に3年費やしたと宣伝した。「大魚海棠」は12年前から企画されていたという説もある。これらの作品は「昔懐かしい」というレッテルを貼られたが、中国アニメ産業の低レベルの現状を浮き彫りにした。新海監督は2−3年毎に作品を発表しており、レベルも向上している。『彼女と彼女の猫』『ほしのこえ』から、中国でもよく知られている『雲の向こう、約束の場所』『秒速5センチメートル』、さらには『星を追う子ども』『言の葉の庭』(2013年)、『君の名は。』に至るまで、1人の監督の創作力を示すばかりでなく、アニメ産業が理想的に発展していることが分かる。
日本のアニメ産業はアニメ、マンガ、ゲームを切り離すことができず、ほぼ同時に発展している。マンガ家が有名な週刊誌で連載し人気作品になれば、アニメ化、DVD化、映画化と発展していく。さらに人形やゲームなど、多くの関連商品が開発される。中国のアニメ創作と産業はまだ、分散型の放し飼いのような状態であり、さらには多くの模倣・剽窃がある。適当に制作し、慌ただしくプロジェクトを立案することで、国家政策から補助金を受けるという悪質な状況については言うまでもない。
『喜洋洋と灰太狼』『熊出没』『巴拉拉小魔仙』『鎧甲勇士』などの作品には中国らしさがあり、中国人から好評を博しているが、日本と比べると不足している点がある。『NARUTO』『ONE PIECE』などが流行中であるほか、いつまでも飽きられない作品もある。日本のアニメがけん引する「二次元文化」が、中国で非主流から主流化しつつあるのも無理はない。「夷の長所を以て夷を制す」という言葉があるが、日本のサッカーは20−30年前からこのようにして、中国のサッカーを追い抜いた。そのため『君の名は。』の公開に際し、中国産アニメは心を込めて創作することを学び、着実に前進し、追い抜こうと努力しなければならない。自画自賛しうぬぼれたり、あるいはスクリーンの海の中で茫然自失してはならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月24日