ホワイトハウスは19日、オバマ大統領の最新の「クリスマス恩赦」で、78人の刑が免除され、153人が減刑になり、「歴史的な記録」を樹立したと発表した。トランプ氏が次期米大統領に選ばれると、ホワイトハウスはこの取り組みを加速した。トランプ氏は囚人に対して同情心がなく、オバマ大統領の任期満了前に恩赦を呼びかける声が高まっていた。AP通信が20日、伝えた。
大統領の恩赦は、対象者が罪を免れ、投票権や選挙権などの重要な政治的権利を取り戻すことを意味する。また「大統領恩赦」は個人の名誉にとっても有益だ。ホワイトハウスの法律顧問は「最新の対象者はいずれも服役中に良い傾向を示していた。規律を守り、薬物依存症の治療を受け、職業訓練に積極的に参与し、良好な公益的労働記録を保持している。減刑された一部の受刑囚は、早ければ2017年に釈放される」と述べた。
統計データによると、オバマ大統領の任期(2期)内に恩赦された人数は148人。歴代大統領と比べると、オバマ大統領は恩赦を認める特権の行使に慎重で、対象者の数は米近代史ではジョージ・H・W・ブッシュ氏をわずかに上回るほどだ。しかもその任期は、オバマ大統領より4年短かった。メディアは、19日の恩赦がなければ、オバマ大統領はこの特権行使で「最もケチ」な大統領になるところだったと皮肉った。前任のジョージ・W・ブッシュ氏は189人、クリントン氏は396人を恩赦している。しかしクリントン氏の退任前の「特大恩赦」は、広く物議をかもした。職権濫用により、政治的盟友が罪を逃れるよう手助けしたというのだ。
オバマ大統領は恩赦よりも、減刑の方を重視している。2期に渡り1176人を減刑し、うち395人は無期懲役囚だった。この数字は歴代大統領11人の合計を上回る。米メディアは、オバマ大統領が「最高指揮官」ではなく、「最高減刑官」だと皮肉った。この措置により、オバマ大統領は批判を浴びている。トランプ氏は最も鋭く批判する人物の一人だ。トランプ氏は今年、オバマ大統領の「囚人を事前に釈放させる」やり方は、公共の安全を著しく脅かすと批判した。またトランプ氏が司法長官に指名したセッションズ氏も、大規模な減刑に反対している。セッションズ氏は今年8月、「大統領は危険なゲームを行っている」と批判した。オバマ大統領は同月、囚人214人の減刑に踏み切った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月21日