ペットボトルを捨てる時にもゴミの分別が必要で、ゴミを捨てる時間も決まっている。古い家電の処理にはお金もかかる。日本のリサイクルシステムは複雑だが、資源を最大限に活用している。
記者は21日、パナソニックの家電処理工場を訪れ、冷蔵庫やテレビなど古くなった家電が、日本企業によっていかに「最後の一滴まで」搾り取られるのかを目にした。
パナソニックエコテクノロジー関東株式会社は、東京から約100キロ離れた茨城県にある。エアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などの各種家電を処理できる。パナソニックと三菱マテリアルが2005年に同社を設立し、2011年より毎年平均で約55万台の家電を処理している。分解、粉砕、抽出後の各種プラスチック・金属資源は、パナソニックと三菱マテリアルに使用されるほか、対外的にも売りに出されている。
パナソニックエコテクノロジー関東株式会社の安東浩社長によると、日本では毎年1800-2000万台の使用済み家電が生まれる。この大量の廃棄物の中には、多くの鉄、銅、アルミニウムなどの資源が含まれる。家電の処理は難しく技術が必要なことから、日本は1998年に「特定家庭用機器再商品化法」を施行し、家電メーカーの資源リサイクルの義務を明確にした。同法の規定に基づき、冷蔵庫の循環利用率は2015年に7割以上に、ルームエアコンと洗濯機は8割以上に達した。
メーカーは原則的に、自社で生産した家電を処理しなければならないが、自社の家電だけを回収するのでは効率が悪い。そこで日本は家電企業を2組に分けた。A組はパナソニック、東芝、ダイキンなど22社で、家電回収業者の既存の施設を利用し回収を行い、各地で使用済み家電を分散的に処理している。B組は日立、シャープ、ソニーなどの18社で、主に自社の施設で回収し、物流業者と協力し使用済み家電を輸送している。2組の企業は、同じ組内の別の企業の製品を回収できる。
安東社長が工場の概況を紹介してくれた後、記者は防塵マスクと帽子などを着用し、社長と共に使用済み家電の分解・回収エリアに足を踏み入れた。液晶テレビ内のねじを外すロボットが、最初に目に入った。カバーを取り外した液晶テレビはベルトコンベアーでゆっくりと送られる。ロボットはベルトコンベアー上の液晶テレビに狙いを定め、ねじを1つずつ外す。1組・2台のロボットは1日で、液晶テレビ約300台のねじを外すことができる。
ケースを外し並べられた液晶テレビをベルトコンベアーに乗せるのも、ロボットの役目だ。安東社長によると、この工場の従業員数は約130人のみで、ロボットの使用で多くの人件費を削減できるという。
使用済み冷蔵庫分解・処理エリアで、従業員が冷蔵庫内のプラスチックを取り出し粉々にする。さらにフル武装の従業員が慎重に、冷媒のフロンを回収する。冷蔵庫はその後、密室に送られる。従業員はレーザーを使い切断する。全過程の自動化率が高く、1人の従業員が数分間で操作を終えることができる。