競争に勝ち、利益を創出
この数年間を振り返ると、中国の高速鉄道が海外進出を開始した当初から、日本は常に影のように付きまとう強力なライバルだ。シンガポールとマレーシア、タイとマレーシアを結ぶ高速鉄道、それからフィリピン国内の鉄道は、両国の海外における高速鉄道をめぐる新たな駆け引きに過ぎない。
両国の高速鉄道の記録を整理すると、どちらが上とは言えない状況だ。中国は2015年10月に後発者として、総額50億ドル以上のジャカルタ〜バンドン間の高速鉄道建設プロジェクトを受注した。日本とインドは2015年12月に、総延長500キロ、総額120億ドル規模の、インド初の高速鉄道の建設計画に調印した。日本は2016年に、タイのバンコク〜チェンマイ間を結ぶ総延長700キロの、総額120億ドルの高速鉄道建設プロジェクトを受注した。中国はタイとつながる高速鉄道の第1期となる、総延長250キロのバンコク〜ナコンラチャシマ間の高速鉄道を受注した。
黄氏は中日の競争について、「中日の高速鉄道には、それぞれの長所がある。日本は新幹線を長年運行しており、技術が成熟しており、安全という伝統的な印象を与える。中国の高速鉄道は保有量で世界一で、同時に高原の寒冷地や熱帯地方での建設・運行能力を持ち、技術体制が整っている。さらに工費も割安で、優れた長所を持つ」と指摘した。
中国という恐るべき後発者に対して、日本は落ち着きを失っている。日本メディアはかつて、日本が東南アジアの高速鉄道の競争に加わる目的は、単純に中国との競争や邪魔建てが目的なのかと疑問視したことがある。
黄氏はこれにうなずき、「日本の現在の役割は、東南アジアのトラブルメーカー、あるいは中国のトラブルメーカーだ。だが中国の高速鉄道の建設が、市場的な行為であることを願っている。現在の駆け引きで最も重要なのは、日本を打ち負かすことを前提とし、いかに中国企業の商業利益を実現するかだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月18日