外国メディアによると、世界の半分の人が行けないという変わった島がある。日本海にある100ヘクタールほどのこの島は日本の南西部にあり、「聖地」と言われている。
スペイン紙『ABC』のウェブ版が5月24日に伝えたところによると、沖ノ島という名前のこの島は福岡県宗像市に属する。この島には現在も宗教のタブーが残っており、女性は立ち入り禁止、男性の上陸も制限されている。
一部の旅行サイトと旅行者がこの神秘的な島の詳細をブログに書いている。この島は日本伝統の神道の聖地である。神道は自然崇拝を中心とする多神信仰で、自然界の動植物を崇拝する。神聖なる伝統を守るため、島の神社の神職だけがここで生活している。彼らはこの聖地を守る役目を果たし、厳しい条件を満たす人だけに上陸を許可している。
男性は上陸申請をして神職の審査を受けるが、女性は完全拒否である。上陸許可をもらった男性はこの聖地に入る前に心身浄化の儀式も行わなければいけない。それだけでなく、全裸になり、島を出る際は草1本、石ころ1つでさえ持って行くことは許されない。訪問者は島で見聞きした一切のことを口外してはならず、この点を誓い、守らなければならない。
報道によると、女性禁制の本当の理由はわかっていないが、女性の月経が聖地を「汚す」ためいう説がある。神道の信者は血を不潔と考えるため、女性に「汚される」ことを恐れていると言われている。そのほかに、この島に行くのは女性にとって危険であるためという説もある。伝統では女性は家で子供の世話をするのが仕事で、命の危険を冒して島に行かせるべきではないという考えである。
沖ノ島は日本と韓国の間の貿易航路にあるため、船乗りがよく訪れる。長年にわたり、船乗りたちは島の神社で航海の安全と貿易の繁栄を祈り、神にお供え物を捧げてきた。その中で貴重なお供え物は日本の国宝になっている。沖ノ島がこのほど、ユネスコの世界文化遺産の候補に上がった。ユネスコ世界遺産委員会は7月に会議を開き、沖ノ島の世界遺産登録を決議する。世界遺産になれば、女性禁制が解かれるかもしれないとも思うが、宗像市と神職は「何も変えない」としている。世界の半分の人が沖ノ島に「歓迎されない」のである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月31日