モバイル決済の最大の魅力は便利さである、モバイル決済を使用することで現金を携帯する必要がなくなり、店の端末不足や、デビットカード、クレジットカードでの支払いを拒否されるなどの問題も回避できる。
eMarketerのマーティン・ウトレラス総裁は、「中国のキャッシュカードの歴史は比較的短く、消費者もキャッシュカードに続きモバイル決済の新技術を容易に受け入れているが、高齢者などの一部の人たちは無現金社会の到来を望んでいない」と話した。
北京の歩道橋で花を売る63歳の宋さんは、「現金がいいが、現金を持っていない人もいるため、携帯電話でも支払えるようにしている。歳をとって目があまり良くないため、自分にとっては現金の方が便利」と話す。
成功を勝ち取るため、決済代行業者は業務を拡大し、消費者と業者に信用格付け、短期ローン、財テク商品を提供している。外国メディアは、これは中国政府の消費拡大と庶民への金融サービスの機会を増やすという政策と合致していると論じた。
アリババとテンセントも海外の市場とルートの拡大に取り組み、中国人観光客と発展途上国のモバイル決済市場の獲得を目指している。7月上旬、テンセントはドイツの決済プロバイダWirecardと欧州でWechatPayを開始した。
一方、モバイル決済の安全性も注目され、偽装したQRコードを使い個人情報や口座資金を盗む犯罪が頻発している。
キャッシュレス連盟は、モバイル決済は「イノベーションと監督管理の間のバランス」の実現に取り組み、金融リスクと詐欺を防ぐ措置を積極的にとっているとした。
キャベンダー氏は、「政府はモバイル決済導入の傾向を緩めておらず、これは大きな動きである」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年7月25日