日本メーカーはヒュンダイの販売低下は日本メーカーに有利で、売り上げを伸ばす最大のチャンスになると考え、今年初めから攻勢をかけた。各メーカーはインターネット広告や屋外展示活動などに力を入れ、ヒュンダイの顧客を引きつけた。この徹底した「ヒュンダイ囲い込み作戦」は日本メーカーの売り上げ増につながった。
中国自動車市場に詳しいみずほ銀行主任研究員の湯進氏は、ヒュンダイの今年の販売台数は前年より90万台減少し、その一部は日本企業に流れると分析。
10月の販売データを見ると、その状況は一目瞭然である。ヒュンダイの販売台数は23.4%減少したが、日産は18.2%、ホンダは14.5%、トヨタは13.5%といずれも大幅に増加している。
しかし、日本メーカーの成長はヒュンダイの低迷によるものだけではなく、コスト削減の効果もある。日本メーカーの中で最も勢いがあるホンダは数モデルのSUVを発売。人気モデルの「ヴェゼル」と「XR-V」(中国版)の車体はほぼ同じで、車名と外観がやや異なるだけである。
一部のパーツも同じものを使用し、2モデルを発売したが、開発コストを単純計算すると通常の2分の1に収まっている。こうして、販売価格を下げることができた。広東省のホンダ4S店(自動車ディーラー)を訪れた30代男性は、「ホンダは以前と比べて納得のいく価格になった。SUVの種類も多く、どれを買おうか迷ってしまう」と話した。
2012年、釣魚島問題による反日デモが中国全土で行われた。その年、外資系自動車メーカーの販売台数は増加したが、日本3大メーカーは減少した。一時は「中国で勝負を制することはできない」と思われた日本メーカーは徐々に存在感を強めている。
中国は純電気自動車の時代に向かっている。中国の自動車市場は政治の影響を受けがちだが、欧米メーカーの販売マネージャーは、「純電気自動車の分野において、日本メーカーは攻勢をかけ、強力なライバルになるだろう」と話す。その他の外資系メーカーも日本に対する警戒を強めている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月22日