北京では、冬になるとスチーム暖房システムのスイッチが入る。そしてひどいスモッグの中を人々はマスクをして歩くようになる。しかし2017年末、これまでと異なる状況になっている。中国政府は、北京市の大気の質が改善されたためだとしている。
中国環境保護部のデータによると、昨年11月の北京のPM2.5 平均濃度は過去5年で最低を記録した。在中国アメリカ大使館が1時間ごとに測定しているデータでもその改善傾向は立証されている。2017年10~12月末、PM2.5濃度は前年同期比で50%減となった。
英イースト・アングリア大学環境経済学部の教授である関大博氏は、北京市の大気の質は疑いなく改善されていると述べる。2016年末、北京市では重度の大気汚染を知らせる「赤色警報」が5日間あった。しかし2017年末に重度警報は一度もない。
大気が改善されている背景は何か。第一に気象条件が挙げられる。グリーンピースは、寒冷前線の頻繁な移動によって汚染物が発散されためだと指定する。ある研究によると、気象条件がもたらした昨年11月と12月の北京の平均PM2.5濃度減少貢献率は、それぞれ20%と40%だった。それ以外に、中国政府の必死の努力も大きな作用をもたらしている。中国環境保護部は今年、北京・天津、および周辺20カ所以上の都市で厳格な汚染防止措置を採っている。セメントや鉄鋼など重工業関連の工場に対して生産停止や減産を命じた。また同措置の一環として、家庭用天然ガスや電力といった、よりクリーンなエネルギーを石炭の代わりに使うように命じる部門もあった。
気候変動パリ協定の合意を守るため、中国政府は同国の二酸化炭素排出を2030年前後にピークにすることになっている。中国は先月、待ち望まれていた二酸化炭素排出低減を旨とする「全国二酸化炭素排出取引システム」を正式にスタートさせている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月14日