アップルがディスプレイを密かに開発しているという情報は市場に衝撃を与えた。ブルームバーグは19日、消息筋からの情報として、アップルは米国本社付近でディスプレイを自主設計・生産しているが、テスト用の商品がすでに数多く出荷されたと伝えた。これについて、アップルの広報担当者はコメントを出していない。しかし情報が流れると、アジアのディスプレイメーカーの株価が全面的に下落した。
アップルの「秘密兵器」研究工場は敷地面積約5760平方メートルで、カリフォルニア州サンタクララの目立たない通り、アップル・パークから車で15分の場所にある。ロイター通信によると、アップルが研究するのはMicro LED(マイクロ発光ダイオード)技術で、この秘密プロジェクトは「T159」と命名され、iPhoneやApple Watchのディスプレイ技術責任者が主導する。
現在、iPhoneやApple Watchなどのディスプレイの多くがLCDやOLEDを採用している。最高クラスのOLEDディスプレイと比べて、Micro LEDはコンパクトで消費電力が少なく、精巧で寿命が長い。2014年5月、アップルはMicro LEDディスプレイを製造する LuxVueを買収し、十数項目のMicro LED技術の特許を受け継いだ。約1年後、中国台湾に実験室を設立し、米国でディスプレイ技術をテストし、Micro LEDの研究を推し進めた。2017年末、アップルは全機能を備えるMicro LEDディスプレイを完成させた。
ブルームバーグによると、アップルは1年前にこのプロジェクトを断念しかけたが、技術者が進展を得たため、後期段階に入った。アップルのディスプレイ自主開発はサムスン電子、ジャパンディスプレイ、シャープ、LGディスプレイなどの供給業者やOLED技術大手にダメージを与える可能性がある。アナリストは、Micro LEDはアップルに黄金のチャンスをもたらし、Micro LED技術を支配することでアップルは成熟したスマートフォン市場で頭角を現し、サムスンなどのライバルを超えられるかもしれないとの見解を示す。しかし、アップルはコスト面のリスクを最小限にするため、ディスプレイ製造を外部委託する可能性もある。
アップルのMicro LED秘密計画に関する情報が19日に伝えられると、iPhone XのOLEDディスプレイを供給するサムスン電子は前場で1.06%下落、LGディスプレイは0.53%下落した。しかし、Micro LEDディスプレイが市場に出回るまではまだ時間がある。ブルームバーグは、アップルのMicro LEDディスプレイは正式な量産までまだ時間がかかり、Apple Watchに採用されるのは2年後、iPhoneに採用されるのは3~5年後になるだろうと論じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年3月21日