科学情報誌『MITテクノロジーレビュー』ウェブ版によると、米国のジップライン社はこのほど、世界最速の貨物輸送商用ドローンを開発した。最高時速は128キロに達するという。
ジップライン社は数年前、遠方の医療センターに血液や薬品を輸送するため、ルワンダに全国的なドローン交付システムを開設した。2016年10月の業務開始以降、同社のドローンはルワンダから4000回以上飛行し、総距離は30万キロに達する。同社はタンザニアでも同様の業務を開始した。
同社のケラー・リナウドCEOは、「アフリカでの運営経験を生かし、同社は物流システムを徹底的に改造した。ドローンだけでなく、ドローンの保管と荷物を積む配送センターも改良し、コンピュータビジョン技術で飛行前の点検ができるようにした。これらの変化により、注文を受けてからドローンが離陸するまでの時間を10分から1分に短縮できた」と話した。
発射・システム回復の簡易化、ドローンの増加と加速化により、ジップラインの1カ所の物流センターが請け負う飛行回数は1日平均50回から500回に増加した。同社によると、固定翼ドローンの業務範囲は従来のクアッドコプターより広く、最大1.75キロの貨物を載せて160キロ往復できる。
世界経済フォーラムのドローン提唱担当者ティモシー・ルーター氏は、ジップラインはドローン技術を使って他の地域のサプライチェーンを向上させることが可能だと考える。アマゾンなどの大手企業との激しい競争はあるが、緊急医療用品の提供において、このドローンの飛行速度はジップラインの強みとなる。同社は米国の複数の医療機関と協力協定を結んでおり、年内に業務を開始する方向で進めている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年4月15日