W杯の番狂わせ、サッカー人材育成のグローバル化が原因か

W杯の番狂わせ、サッカー人材育成のグローバル化が原因か。

タグ:グローバル化 W杯

発信時間:2018-07-09 17:01:57 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 ベスト4が決まったW杯は、欧州杯に変わった。東欧のクロアチア、西欧のイングランド、南寄りのフランス、さらにフランス北部のベルギーが揃った。本来ならば異なる流派の4チームは、同じ技術を使っているように見える。「中国青年報」が伝えた。


 世界には何の理由もない流行は存在しない。芸術的なサッカーの消滅、サッカーの流派の曖昧さは、功利主義の興隆と関連しており、グローバル化による人材育成体制とも密接に結びついてる。ベスト32入りした欧州チームのほぼすべてに、成熟した青少年訓練体制が整っている。フランスやイングランドのような伝統的な強国のほか、本大会で活躍しているクロアチア、ベルギー、ロシア、さらには人口がわずか30万人余りのアイスランドがW杯を欧州杯にできたのは、決して偶然でもラッキーでもない。また欧州の選手間の流動は青少年訓練の時期に始まり、欧州各クラブの青少年訓練体制は巨大なプロ選手生産ラインのようなもので、国と国の距離はもはや妨げにはなっていない。フランス選手のグリーズマンはスペインの青少年訓練を受けており、ベルギーのアザールはフランス南部の青少年訓練を受けている。


 全世界で最も効果的かつ組織的で、選手にとって最も活路ある人材育成基地である欧州の青少年訓練体制は、欧州以外のサッカー人材にとっても実に魅力的だ。南米、アフリカ、アジアなどの多くの選手が、欧州クラブ内の青少年訓練体制に進出している。この10年間に渡りクリスティアーノ・ロナウドと共に世界のサッカー界を席捲したメッシは、その中でも最も注目を集めている選手だ。日本サッカーの急成長にも、同じような理由がある。


 サッカー人材育成のグローバル化が大きな流れになっているほか、欧州の高水準リーグは世界の最も優秀で才能あるプロ選手・コーチ・管理人を集めている。国内リーグ、UEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグ、各クラスの青少年間の試合により、W杯出場チーム間の秘密がなくなっている。インターネットの普及、新メディアの流行、ハイテクの利便性により、世界で最も先進的で実用的な戦術が瞬く間に海を渡り、全世界に知られる。選手の最適な配置に、ビッグデータなどの科学研究手段を合わせる高水準クラブが、サッカー界の流行とトレンドを示すバロメータになる。クラブの監督経験を持つ大多数のナショナルチーム監督が、自国のサッカーの伝統をむやみに追い求めるのではなく、自国の選手のために最も適切かつ効率的な戦術を見つけ出そうとするのも理解できる。


 まさにそのため、今年のW杯は番狂わせが続いているように見えるが、実際にはサッカー人材育成のグローバル化の必然的な結果と言える。スター選手の数ではなくコンディションを重視し、知名度ではなく準備状況を重視する。ドイツ、アルゼンチンが意外にも敗退し、ロシア、イングランドが活躍したのはそのためだ。


 パスサッカーの代表者であるスペインが足踏みし、本大会の流派の差は地域や名称のみになったかもしれない。流派ではなく、あるのは流行のみだ。これは時代によって生まれるものであり、良し悪しの差はない。しかし流行がどうあれ、時代がどのように変わるにせよ、青少年訓練がなければ未来はないというサッカーの法則だけは変わらない。


 サッカーの世界に近道はなく、コーナーからの大外一気もない。カネでどれほど多くのスター選手を中国スーパーリーグに招いても、日本人選手の何倍もの年俸をもらっている中国代表は、W杯の観客になるしかない。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月9日

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