3000万年に1秒の誤差、中国が冷原子時計開発で先機を制する

3000万年に1秒の誤差、中国が冷原子時計開発で先機を制する。地下鉄のドアが閉まる1秒前に駆け込み、ベルが鳴ると一秒後に答案を提出する。日常生活における「一秒」は見落とされがちで、特殊な状況においてのみその存在への意識を強いる…

タグ:宇宙実験室 天宮2号 冷原子時計

発信時間:2018-08-08 14:56:12 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 地下鉄のドアが閉まる1秒前に駆け込み、ベルが鳴ると一秒後に答案を提出する。日常生活における「一秒」は見落とされがちで、特殊な状況においてのみその存在への意識を強いる。しかし科学における「一秒」は時間を測る尺度であり、「一秒ですべてを失う」という重要な責任を担ってもいる。


 宇宙実験室「天宮2号」に搭載された、世界で初めて宇宙で稼働した冷原子時計(Cold atomic clock)が軌道上の2年弱の期間内に、計画されていたすべての試験任務を完了した。誤差が3000万年に1秒という予定の目標を達成し、人類の宇宙における時間測定の精度を1−2桁分高めた。これは世界で初めて軌道上を飛行し科学実験を展開する宇宙冷原子時計であり、宇宙を飛行中のうち精度が最高の原子時計でもある。


 「この20年間に渡り、多くの人が冷原子時計を宇宙に送り込もうと取り組んできたが、ついに中国が初めて宇宙冷原子時計の実験結果を発表した」この重要な科学研究の成果は、世界的に重要な地位を占めるオンライン学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」の注目記事として掲載された。


 世界に目を向けると、主要先進国は宇宙冷原子時計の戦略を展開している。欧州宇宙機関のACES計画は、国際宇宙ステーションで1台のセシウム冷原子時計を中心とする高精度時間周波数システムを稼働させる。打ち上げは2020年頃を予定。米国はこれまでPARCS(宇宙セシウム冷原子時計)、SUMO(超伝導発振器)、RACE(宇宙ルビジウム冷原子時計)などの研究計画を展開していた。冷原子を利用し宇宙科学研究を展開することが、現在の世界最先端の話題となっている。


 宇宙冷原子時計の開発で中国は先機を制することができたが、この競争はまだ始まったばかりだ。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年8月8日  

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