中国が率先し行動し、南極の最高点を「科学研究・環境保護」の特別エリアに変え、さらに他国との協力に開放的な態度を示している。中国はアイスドームAエリアを保護区、もしくは南極特別管理区にする「開放交渉」の中で主導権を握っている。
中国の科学研究者によると、アイスドームAにおける活動の規模が最も大きな国は中国であり、2005年の陸地遠征において初めてここに到達した国になった。中国は10年前に現地で崑崙基地を建設し、科学研究施設を設置した(天文観測及びスペースデブリ監視に用いる望遠鏡など)。しかし米国もその後、同基地から約100キロ離れた場所に臨時基地を建設した。中国の一部の科学研究者は、これは中国による南極特別管理区の計画を阻む米国の措置と考えている。匿名の中国極地科学者によると、米国の基地は米軍の南極計画「Operation Deep Freeze」から支持を受けているようだ。
中国は近年、南極で活発に活動している。永久空港と、通年基地の長城及び中山、季節的基地の崑崙・泰山を建設した。中国5つ目の南極基地も建設中だ。中国人科学者によると、米国は同地域で存在感を強めている。中米両国の競争が南極まで広がることが懸念されている。
「南極条約体制」によると、南極特別管理区には「ある特定エリア内の活動の計画と調整に協力し、起こりうる衝突を回避し協力を促進する」という効果がある。一般的に、ある南極特別管理区を提案した国が、その管理について最大の発言権を持つ。
中国の活動は数年続いているが、ある交渉に詳しい科学者によると、米国から猛反発を浴びているという。この匿名の科学研究者は「これは政治的な意志、軍事力、世界的な影響力の駆け引きだ……(中略)……ここ数カ月になり目に見えてヒートアップしている」と話した。
米国の基地がいつ建設されたかは今のところ不明だが、中国の科学研究者はほぼ一夜にして建設され、設備も人員も空輸されたようだと述べた。これは現在のところ一時的な施設であり、同エリアにおける中国以外の唯一の基地だ。中国はこれを米国のさらなる活動の前触れと見ている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年5月5日