中国地震科学実験場の着工から1年 観測所360カ所を新設

中国地震科学実験場の着工から1年 観測所360カ所を新設。中国地震局は5月10日、中国地震科学実験場の進展状況を発表し、注目を集めた…

タグ:地震 観測所

発信時間:2019-05-13 15:17:03 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

    中国地震局は5月10日、中国地震科学実験場の進展状況を発表し、注目を集めた。1年前の2018年5月12日、ブン川地震10周年国際シンポジウムで、中国は中国地震科学実験場の建設を発表した。中国地震局の鄭国光局長によると、この1年、中国地震科学実験場の建設は順調に進み、観測所360カ所を新設し、観測データを蓄積した。

 

実験場の位置は独特

 

 中国地震科学実験場は四川省と甘粛省の境界から雲南省南部をカバーする。鄭国光氏は、これは科学者らの多方面の研究による結果であり、この区域はユーラシアプレートとインドプレートの接触と圧力により大きく変形した地区に位置し、地質構造は複雑で地震活動が頻繁に起こり、地震のタイプが多く、長期的に観測資料を蓄積し、地震科学実験を行う理想的な場所だと話した。

 

 鄭国光氏によると、ここは「地震発生過程から工学的構造の反応まで」の全プロセスを研究する世界初の地震科学実験場で、内陸型大地震をシステム的に研究する世界唯一の科学実験場でもある。

 

 鄭国光氏は、この実験場は基礎研究に属し、応用も兼ね、地震業務体系に科学研究に基づく新業務能力を提供すると考える。例えば、観測予報の面で、データを通して地震のタイプを予測し、経験による予測から理論的予測へと転換させる。

 

1000メートルのボーリング観測を重点的に実施

 

 地震科学実験場は地震科学技術の野外実験室で、地震の形成、発生、災害の各面の科学問題を扱い、中でも野外実験で検証する必要のある問題を深く研究する。

 

 中国地震科学実験場の着工が発表されてから、科学者らは期待を寄せていた。業界関係者は科技日報の記者に対し、「この実験場の建設により、科学者は現代的な立体観測台ネットワークを利用し、複数の学科の高精度、高密度の観測を行える。野外観測と実験を通し、地震の形成、発生、振動および建造物の破壊に至るまでの全面的な震災減少に関する科学技術問題を解決し、地震科学技術の進歩と震災防止を大幅に推し進めることができるかもしれない」と話した。

 

  鄭国光氏は、「今後、実験場の建設を加速し、3年内に複数の数百メートルから1000メートルの地震観測井を完成させ、より豊富な地下構造と媒体の観測データを収集する」と述べた。

 

17チームが作業開始

 

 フランス科学院のポール・タッポニア氏は実験室の設計、建設、研究に参与した国際科学者の1人である。彼は、中国の地震機構は独特で、実験場の建設により科学者は地震の予報に期待を寄せていると話した。現在、米国やロシアなど13カ国が地震科学実験場の関連作業に参与し、北京大学や中国科学技術大学などの機関の13の専門家チームが科学研究作業を開始し、60項目近くの研究プロジェクトが行われている。

 

 鄭国光氏は、「続いて、中国地震科学実験場は共同建設・共有レベルを引き上げ、データ共有協力メカニズムを構築し、科学研究チームに観測装置、野外観測サービス、データ情報共有を提供し、実験場を新思想の孵化器、新技術の加速器、新成果の推進器にしていく」と話した。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年5月13日


TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで