アップルが5Gの「最初の波」に乗らない理由とは

アップルが5Gの「最初の波」に乗らない理由とは。

タグ:アップル 5G 特許争い

発信時間:2019-07-10 14:35:01 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

 業界アナリストはこのほど、アップルが2020年に2種の5G携帯電話をリリースすると予測した。現在、サムスンの5G携帯電話が販売されており、華為(ファーウェイ)、グーグル、小米(シャオミ)、OPPO、vivoなどの携帯電話メーカーも2019年のリリースを計画している。スマートフォン業界大手のアップルが2019年の5G携帯電話争いを逃したのはなぜか。


特許争い、ネットワーク支持不足が発表遅れを招いた


 2019年は5G商用化元年と言われている。世界の各大手通信会社は5G配備を加速化し、携帯電話メーカーも5Gスマホ市場の争奪戦に次々と参与している。しかし意外にも、業界大手のアップルは遅れをとり5G携帯電話の発表時期を公表しておらず、一部メディアとアナリストは2020年にリリースすると予測している。筆者は、主に以下の2つが原因だと考える。


 1つは、クアルコムとの特許争いの影響。アップルとクアルコムの特許争いは2017年11月に始まり、19年4月に和解し、長期間続いたことが両者の提携に大きく影響し、アップルのクアルコム製チップの使用に直接影響した。


 5G携帯電話で最も重要で、コアとなる技術パーツは5Gチップである。アップルはインテルを5G携帯電話用チップの供給業者にすることも検討したが、インテル製チップの性能と研究開発の進度がアップルのニーズを満たしていないことから、クアルコムと引き続き提携し、クアルコムの5G携帯電話用チップの開発を待つと見られる。


 もう1つは、5Gネットワークの完全な成熟化を待つため。5G基地局の建設には一定の周期が必要なため、各国の5Gネットワークはまだ成熟していない。これは5G携帯電話の使用をある程度制限するため、アップルはそのような時期に5G携帯電話をリリースすれば完備されたネットワーク支持が不足し、機能を充分に発揮することは困難だと考えた。


キラー級アプリの研究開発が急務


 イノベーションは企業にとって最大の生命力である。iPhoneの発展の歴史を振り返ると、通信技術改革の最初の波に乗れなかったのは初めてではない。初代iPhoneは2Gネットワークのみに対応していたが、当時、3Gがすでに登場していた。


 アップルがスマホ分野のリーディング企業になれたのは、スピードではなく、イノベーションのカーネルのおかげである。例えば、スマホメーカーが大画面の搭載をこぞって追求する中、アップルは画面の上半分の内容を下に動かす「簡易アクセス」ソフトを開発し、大画面でなくてもより便利に使用できるようにした。


 現状を見ると、5Gと4Gの携帯電話の機能の差はそれほどなく、5Gは通信速度が4Gよりやや速いだけである。そのため、業界内では4Gが提供するのはネットワーク接続、5Gが提供するのはネットワークプラットフォームだとされている。


 言い換えれば、携帯電話が使用するネットワークは1本のパイプラインに限られず、高速プラットフォームになる。しかし、携帯電話メーカーもアプリ開発企業も、この高速ネットワークプラットフォームを活かせるアプリを開発していない。

現在の市場に最も不足しているのは5G携帯電話ではなく、5Gネットワークに適したキラー級アプリと言える。


 そのため、5Gネットワークが成熟しておらず、5Gチップの研究開発が遅れているという客観的な条件の制限がある中、アップルは自身の経験をもとに、5Gベースバンドチップの研究開発を強化するだけでなく、その革新的な優位性を発揮できる真の5G携帯電話アプリをどのように研究開発するかを考えている。アップルのpre-5G携帯電話は5Gネットワークが成熟しない中でテストを実施する可能性が高い。


 筆者は、5G携帯電話のリリース遅れはアップルの発展にある程度の影響をもたらすが、「最初の波」の乗れなくても致命的なダメージとはならず、5G時代に革命的な携帯電話アプリを開発し成功を収める可能性があると考えている。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月10日

 

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