今年の世界の宇宙事業は中国に始まり、中国に終わった。中国は今年1月上旬、人類初となる探査機による月の裏側の着陸に成功し、世界を震撼させた。新年まで残り数日となった12月27日、中国は今年世界で最後にロケットを打ち上げた国になった。韓国のハンギョレ新聞が伝えた。
中国が今回の打ち上げに使用したのは長征5号ロケットだ。中国の深宇宙探査をけん引する最強のロケットの3回目の打ち上げとなった。中国はこのロケットを踏まえた上で、来年には宇宙ステーションの建設を開始し、月の土壌を集め地球に持ち帰る。さらに火星探査の準備も進める。長征5号の打ち上げ成功により、中国は上述した3大宇宙事業を同時進行するためさらなる推進力を手にした。
今回の長征5号の打ち上げは、中国にとって今年34回目の打ち上げとなった。この回数は米国(23回)とロシア(20回)を大きく上回った。また中国は2年連続で打ち上げ回数が世界最多の国になった。これらの打ち上げには2回の失敗が含まれ、中国のロケット技術にさらなる改善の余地が残されていることが分かる。
2020年は中国の宇宙探査50周年だ。中国は1970年に自主開発した初の「長征1号」ロケットにより、「東方紅1号」衛星を宇宙に送り込んだ。これは中国製ロケットのスタートで、中国の宇宙事業の父とされる銭学森が米国から祖国に帰国してから丸15年が経過していた。
半世紀に渡る努力により、中国の累計打ち上げ回数は今年3月現在で300回以上に達した。中国の打ち上げ数は近年、毎年増加している。長征シリーズの打ち上げ回数は最初の100回に達するまで37年を費やしたが、次の100回までは7年半のみ、さらにその次の100回までは4年のみだった。中国の年間平均打ち上げ回数も2.7回から13.3回に増加し、さらに23.5回に増加した。長征ロケットは現在まで、中国及び他国の衛星506基を打ち上げている。これには6つの有人宇宙船、2つの無人宇宙実験室、4つの月探査機が含まれる。AIの優位性を握りつつ宇宙事業の台頭を力強く推進する中国の、来年の3大宇宙事業の成果が世界から注目されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月30日