10カ所の国家公園体制の試行が現在、青海省、吉林省、海南省などの12省で推進されている。試行面積は合計で約22万平方キロメートルで、陸域国土面積の2.3%を占める。
祁連山から海南省、東北虎・豹からパンダへと、異なる自然環境と多くの貴重な動物を含む10カ所の国家公園体制の試行が現在、青海省、吉林省、海南省などの12省で推進されている。試行面積は合計で約22万平方キロメートルで、陸域国土面積の2.3%を占める。
国家林業・草原局は8日の記者会見で、国家公園体制の試行状況を発表した。国家公園体制の試行の成果は現在、日増しに顕著になっている。
1.自然保護区が生態の名刺に
三江源国家公園は青海省にあり、長江源、黄河源、瀾滄江の3園区を含む。この面積が12万3100平方キロメートル、平均標高が4713.62メートルの土地には、世界の高標高地域に特有の大面積湿地生態系があり、「中華水塔」と呼ばれている。
全面的な生態保護を徹底するため、国家公園内の自然保護区及び重要湿地などの各種保護地は機能再編を実施した。これにより全体保護、系統修復、一体化管理を実現した。
試行活動の模索において、ココシリが世界自然遺産に登録された。中国で面積が最大の世界自然遺産になり、名実相伴う「生態の名刺」になった。
三江源国家公園体制試行エリアでは現在、生態保護・回復の効果が日増しに顕著になっている。環境の質が持続的に向上し、生態機能が絶えず強化されている。水源かん養量の増加率は平均6%以上で、草地被覆度は11%以上、草生産量は30%以上増加した。
2.絶滅危惧種が生息地を手にする
海南熱帯雨林国家公園試行エリアは、海南省中部の山間部に位置する。ここは中国固有のカイナンテナガザルの唯一の生息地でもある。70年代末、覇王嶺熱帯雨林に生息するカイナンテナガザルは7−9匹のみとなった。熱帯の絶滅危惧種をいかに保護するかは、海南熱帯雨林国家公園試行の活動の重点になった。
海南熱帯雨林国家公園管理局の夏斐局長は、記者に「2016−19年にカイナンテナガザル生息地回復プロジェクトが実施され、2000ムー以上の生息地が修復された。カイナンテナガザルの数が徐々に増加し、現在は4つの群れの30匹にのぼり、増加の良好な流れを維持している」と話した。
3.人と自然が調和的な共存を実現
国家公園体制の試行後、生態保護と生産保障の融合を実現し、生態を人々の利益に変えるにはどうすべきだろうか。
三江源国家公園で、牧民は草原の利用者から徐々に生態の保護者になっている。生態牧畜業合作社の発展を通じ、三江源国家公園は草原の請負経営を特許経営に変えるという大胆な試みをしている。牧民が公園生態体験、環境教育サービス、生態保護プロジェクト労務、生態観測などの活動に従事するよう促し、支援している。これにより彼らが生態保護、公園管理で安定的かつ長期的な収益を得られるようにする。
園区は現在、全面的に「一人一役」を実現した。1万7200人の生態管理・保護員を雇用し、年収を1人平均2万1600元増やした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年1月9日